...萠えそめたる麥生かなたに一帶白くたなびけるは...
大町桂月 「水戸觀梅」
...最も若い植物のようにやわらかく新鮮に萠えだして新たな一年の生活をこころみようと準備しているのが見られる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...」老婆は萠黄の茎を分けるやうにしてひよろひよろと歩いて行つた...
田中貢太郎 「雨夜詞」
...・日かげりげそりと年をとり・そこらに冬がのこつてゐる千両万両・地つきほがらかな春がうたひます・ゆふべはゆふべの鐘が鳴る山はおだやかで・鴉があるいてゐる萠えだした草三月十一日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...無論根本はさういふ処から起つて来てゐるのではあるけれど――以前の文芸のあまりにロマンチツクに流れたところから萠芽を発してゐるのではあるけれど...
田山録弥 「小説新論」
...その前に公孫樹の新緑が萠え出していた...
豊島与志雄 「公孫樹」
...種子の萠芽の驚嘆すべき力のクローズアップも...
豊島与志雄 「少年文学私見」
...もう萠え出したのか――それもおかしいが...
豊島与志雄 「童貞」
...萠芽的な断片的なものに今は過ぎないが...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...技術的にはまだまだ萠芽期を出でない...
豊田喜一郎 「プレスの操作に手工業を加味」
...近頃(ちかごろ)どうも安(やす)くつてな」商人(あきんど)はいひながら淺(あさ)い目笊(めざる)へ卵(たまご)を入(い)れて萠黄(もえぎ)の紐(ひも)のたどりを持(も)つて秤(はかり)の棹(さを)を目(め)八分(ぶ)にして...
長塚節 「土」
...棉打唄丘の榎木(えのき)に蔓葛(かつら)が萠える鷽(うそ)が鳴くわい酒屋の背戸(せど)で...
野口雨情 「野口雨情民謡叢書 第一篇」
...それも行儀よく二尺ほど離して二枚」「板の先は?」「萠(も)え出した草地ですよ」「車だよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...といふ疑ひがだんだん萠して來た...
堀辰雄 「窓」
...加藤子爵の開墾地で同じ虻田村の中の幌萠(ホロモイ)という所に着いて...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...そこにこそわれわれの學問とか知識とかいふものの萠芽が...
室生犀星 「帆の世界」
...萠(も)え出た草の芽と若葉の香が...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...知識の萠しと共に亡びるものだ...
渡辺温 「絵姿」
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