...小川の縁に萠え出した草を藉いて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...下萠はしているが...
石川欣一 「山を思う」
...もう自づと男羞しい少女心が萠して來て...
石川啄木 「天鵞絨」
...そして苦みがかつた酸味にあるかなきかの甘さが萠して来るが...
薄田泣菫 「独楽園」
...或は宗教の萠芽を神話の中に求めんと試みたる者あり...
高木敏雄 「比較神話学」
...……おちついて死ねさうな草萠ゆる和尚さん来談...
種田山頭火 「松山日記」
...或る漠然とした万一の場合を予想する念が萠して...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...小さな可愛いい葉の萠え出してるのが...
豊島与志雄 「公孫樹」
...内に萠芽しているべきである...
豊島与志雄 「文学の曇天」
...また国際戦争の萠しを帯びて...
豊島与志雄 「三つの嘘」
...庭には柔かな草が萠え出して土はいくらか濕つて居る極爽快な日であつた...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...わすれ草は青く萠ゆ...
長塚節 「十日間」
...きわめて幼少の折から自然的に各分業的の萠(きざし)あるものである...
新渡戸稲造 「自警録」
......
野口雨情 「枯草」
...孜々として勢力扶植の道を講じ今や漸次再びその萠芽を発せんとするもの少からざるを覚ゆ...
日野強 「新疆所感」
...おゝ大自然よ!ふと民子の胸にはある不安が萠した...
水野仙子 「夜の浪」
...真に地方の田畑の間から自由民権の萠芽をもり立てようとならば...
三好十郎 「斬られの仙太」
...仄(ほの)かな緑が萠(も)え出して...
吉川英治 「山浦清麿」
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