...植物の萠芽(ほうが)のように...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...萠えそめたる麥生かなたに一帶白くたなびけるは...
大町桂月 「水戸觀梅」
...われわれはわれの持って生まれた微なる人道の萠芽を人工的に補い助け...
丘浅次郎 「人道の正体」
...青葉が房やかに萠えてゐるなかで...
薄田泣菫 「独楽園」
...あとから萠(も)え出す新芽と茂みとはかれらに隠れ場をあたえ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...人文其ものの萠芽さえ生ずるを得ざるなり...
高木敏雄 「比較神話学」
...その中で本家本元と言つても好いフランス文学ではバルザツクあたりにその萠芽を発して...
田山録弥 「小説新論」
...同じく作中人物のクランチャー夫妻とについての萠芽的な思付きが記されている...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...一斉に萠え出でようとしている...
豊島与志雄 「過渡人」
...観念的には日支共存の思想にまで延長出来得る萠芽を持っているものだと...
豊島与志雄 「中支生活者」
...近頃(ちかごろ)どうも安(やす)くつてな」商人(あきんど)はいひながら淺(あさ)い目笊(めざる)へ卵(たまご)を入(い)れて萠黄(もえぎ)の紐(ひも)のたどりを持(も)つて秤(はかり)の棹(さを)を目(め)八分(ぶ)にして...
長塚節 「土」
...天心さして萠え立たせ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...「好悪(こうあく)の良(りょう)は夜気(やき)に萠(きざ)す」と...
新渡戸稲造 「自警録」
...まだ萠(も)え初めぬ草地にさす影もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私の心に萠(きざ)した...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...花が咲き、草萠え、小鳥の囀つてゐる村の旧い墓地の丘...
三好十郎 「地熱」
...しかし芽も萠(も)えぬうちに摘(つ)んで捨てた...
山本周五郎 「新潮記」
...仄(ほの)かな緑が萠(も)え出して...
吉川英治 「山浦清麿」
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