...四秋(あき)は茴香(うゐきやう)、えび蔓(かづら)實(み)ぞ色(いろ)づきつ、ああひとつば、素腹(すばら)の性(さが)を恨(うら)みわび、夜(よ)を泣(な)き濡(ぬ)れて、ああひとつば、萎(な)ゆれど、姫(ひめ)は目(め)も空(そら)に往(ゆ)き過(す)ぎましぬ、ああひとつば...
薄田淳介 「白羊宮」
...服(ドレス)も萎(しお)れ面(おもて)も萎れて登ってきたあなたの可憐(かれん)な姿が目のあたりにちらつきながら...
田中英光 「オリンポスの果実」
...今朝は臘梅(ろうばい)の花が萎(しぼ)んでいるのに心づいて...
谷崎潤一郎 「鍵」
...」お作は急に萎(しょ)げてしまう...
徳田秋声 「新世帯」
...萎(な)えた気分が生き生きして来た...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...この打ち萎れた気持ちの中で...
豊島与志雄 「白藤」
...萎えてくる心を励ましてみても...
直木三十五 「南国太平記」
...秋草(あきぐさ)の茂りはすっかり枯れ萎(しお)れてしまったので...
永井荷風 「狐」
...萎縮(いしゅく)した真最中だったから...
夏目漱石 「坑夫」
...すると私はその一言(いちげん)で直(すぐ)ぐたりと萎(しお)れてしまいます...
夏目漱石 「こころ」
...萎(しを)れて見せるほどの智慧は無いんだね」「親分...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どこを捜しても見付からないのです」天城屋六兵衛は萎(しお)れ切っておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...とて唯(たゞ)言(い)ふことながら萎(しを)れて聞(きこ)ゆれば...
樋口一葉 「わかれ道」
...朽ちた花びらが梢(こずえ)に萎(しお)れて...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...夕方までも萎(しぼ)まで花もいとよろしと也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...大抵は萎(しお)れている...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...萎靡(いび)した工藝の運命は今個人的守護によって...
柳宗悦 「工藝の道」
...源吉の萎(しお)れた顔を覗(のぞ)き見るようにしていった...
蘭郁二郎 「鉄路」
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