...それを見ると其辺(そこら)の黄いろい萎(しな)びた顔が一度に灯(ひ)が点(つ)いたやうに明るくなつた...
薄田泣菫 「茶話」
...むらさきいろに萎えてゐた...
太宰治 「陰火」
...三日経(た)てば萎(しお)れる...
太宰治 「新釈諸国噺」
...一と吹きの風にも萎んでしまいそうな児だった」と...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...凡て萎微し沈滞しきって陰鬱である...
豊島与志雄 「都会に於ける中流婦人の生活」
...住職は萎(しお)れ返っておりますぜ――親分」「わかったよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...萎(しを)れ返るガラツ八を連れて神田の家へ引揚げて來た平次は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...可愛らしい娘だつたが」八五郎までが妙に萎(しを)れてゐるのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...打ち萎(しお)れた顔を挙げました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...打ち萎(しを)れた孫三郎が立つてをりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さすがにたつた一人の父親を喪つた打撃に萎(しを)れ返つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひどく打ち萎(しお)れて居ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...われ等萎びた大根と...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...痩せて皺くちゃに萎んでしまった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...蝸牛(かたつむり)のように頭をかたく殻の中へかくして萎縮しているようである...
平林初之輔 「犠牲者」
...去り難い悩しさは萎(な)えたる手でいたずらに虚空を掴(つか)もうとした...
三木清 「語られざる哲学」
...」松岡は黄色い萎(しな)びた声でそういうと...
室生犀星 「三階の家」
...萎靡(いび)した工藝の運命は今個人的守護によって...
柳宗悦 「工藝の道」
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