...漸く萌して居た肺病はこれより重く...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...僕に邪念の萌芽(めざし)ありし何よりの証拠じゃ...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...鮫皮(さめかわ)に萌黄糸(もえぎいと)の大菱巻(おおひしまき)の(つか)...
江見水蔭 「備前天一坊」
...憎惡(ぞうを)の情も萌(きざ)さず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...天塩国留萌郡留萌町(てしおのくにるもいぐんるもいまち)であろうが...
橘外男 「生不動」
...それは少くとも要の中にあるフェミニズムの最初の萌芽(ほうが)だったであろう...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...一種の義憤を含む例の短気がむらむらと萌(きざ)したことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...既に伯林(ベルリン)の悲運の萌(きざ)しが見えていたのである...
中谷宇吉郎 「原子爆弾雑話」
...微(かす)かな不安がまた新らしく萌(きざ)した...
夏目漱石 「道草」
...それ相応に萌芽を出し生長を遂(と)ぐるものなれば...
福沢諭吉 「家庭習慣の教えを論ず」
...この種子からもまた新苗の萌出することがある訳だが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...遂に遠近の地に落下しそこに新苗をして萌出せしむるに至るのである...
牧野富太郎 「植物記」
...まだ萌(も)えたばかりの草の上にひろげた...
室生犀星 「姫たちばな」
...つまり生きた・自然の・少しもまげられていない・もろもろの徳の萌芽をもって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...奔放自在に荒れまわるであろうところの最も新しい芸術の萌芽でなければならぬ...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...若芽の萌え出した柔かな田園...
横光利一 「旅愁」
...蜀兵は葭萌関を出陣して...
吉川英治 「三国志」
...彼はそれを携えて葭萌関(かぼうかん)にある玄徳にまみえ...
吉川英治 「三国志」
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