...しかも垢じみた萌黄色(もえぎいろ)の毛糸の襟巻がだらりと垂れ下つた膝の上には...
芥川龍之介 「蜜柑」
...明治の日本人が四十年間の生活から編みだした最初の哲学の萌芽であると思う...
石川啄木 「弓町より」
...紅梅萌黄(こうばいもえぎ)の浮文(うきあや)に張裏(はりうら)したる狩衣(かりぎぬ)を着け...
高山樗牛 「瀧口入道」
...一昨日(おととい)から萌(きざ)していたのである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...例によって背に負うた萌黄色(もえぎいろ)の風呂敷包だけを見ても...
中里介山 「大菩薩峠」
...この浪の音は何里の沖に萌(きざ)してこの磯の遠きに崩るるか...
夏目漱石 「幻影の盾」
...もう暮方の色が萌(きざ)していた...
夏目漱石 「門」
...真新らしい萌黄(もえぎ)から草(くさ)の大風呂敷包(おおぶろしきづつみ)がとどいたから...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...枯渇絶望した俺の心に微かな希望が萌(も)えだしたものだから...
久生十蘭 「湖畔」
...当地の警察署に告訴して大難を未萌(みほう)に防(ふせ)がずばなるまじという...
福田英子 「妾の半生涯」
...この草は冬はその葉が枯れて春に旧根から萌出し夏秋に繁茂する...
牧野富太郎 「植物記」
...浄土真宗は在世正法像末法滅濁悪の群萌...
三木清 「親鸞」
...春の野の萌黄色(もえぎいろ)の襲は月の下では...
室生犀星 「津の国人」
...草が萌(も)えるころになった...
森鴎外 「山椒大夫」
...萌黄村濃(もえぎむらご)の鎧に太刀を佩(は)いた真名女のすがたは五人の武者をはるかにぬいてみごとだった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...葭萌関(かぼうかん)の守備も...
吉川英治 「三国志」
...大地はふかく氷を閉ざしても、春ともなれば、草は萌(も)え、花は狂う...
吉川英治 「親鸞」
...青春期に我々の内に萌えいでた芽は...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
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