...萌黄(もえぎ)に敷いた畳の上に...
泉鏡花 「婦系図」
...俺達の建設しようとする新しい工場の芽を萌ましめるのである...
大杉栄 「鎖工場」
...やがて地をつんざいて萌え出ようとする気を籠めておる...
高浜虚子 「俳句への道」
...わたくしもいただきまする其中一人いつも一人の草萌ゆる枯枝ぽきぽきおもふことなくつるりとむげて葱の白さよ鶲また一羽となればしきり啼くなんとなくあるいて墓と墓との間おのれにこもる藪椿咲いては落ち春が来たいちはやく虫がやつて来た啼いて二三羽春の鴉で咳がやまない背中をたたく手がない窓あけて窓いつぱいの春しづけさ...
種田山頭火 「草木塔」
...風雅の精神の萌芽(ほうが)のようなものは記紀の歌にも本文の中にも至るところに発露しているように思われる...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...折角萌しかけてきた一家の喜びに...
豊島与志雄 「神棚」
...未来を豊富ならしむるべき萌芽(ほうが)を捜し求めてる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...なぜそれを浴室の中まで穿(は)き込まなかったのだろうかという後悔さえ萌(きざ)した...
夏目漱石 「明暗」
...萌黄緞子(もえぎどんす)の袴(はかま)を着けておりましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...草の萌え茂る時に...
葉山嘉樹 「氷雨」
...早晩(いつか)萌芽を出(いだ)すの性質は天然自然に備えたるものなり...
福沢諭吉 「家庭習慣の教えを論ず」
...三年まえに君と同道してこの古い国をさまよい歩いたときから僕のうちに萌(きざ)しだした幾つかの考えのうちでも...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...「萌黄、緋威、赤威、色々の鎧の浮きぬ沈みぬゆられけるは、カンナビ山のもみぢ葉の、巓の嵐にさそはれて――」「竜田川の秋の暮――」と続けたのは大の字なりにふんぞり反つて天井に煙りを吹きあげてゐる吐月峰のDだつた...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...種子をば地面に放棄するのでそこにもまた新苗が萌出するのである...
牧野富太郎 「植物記」
...葉が萌出(ほうしゅつ)するのである...
牧野富太郎 「植物知識」
...遠見にはそこに人がいる萌しなんぞさっぱり見えないのだった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...あたりには遲い蕨などが萌え立つて居り...
若山牧水 「梅雨紀行」
...この時に萌したのであろう...
和辻哲郎 「鎖国」
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