...自慢の得意の情がまた萌(きざ)す...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...岩の裂目からは美しい羊歯(しだ)の葉が萌(も)え出ている...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...薄萌葱(うすもえぎ)の窓掛を...
泉鏡花 「婦系図」
...かゝる雪中なれども夏の儲(まうけ)に蒔(まき)たる野菜(やさい)のるゐも雪の下に萌(もえ)いでゝ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...大地から萌(も)え出たものでなくてはなりません...
高浜虚子 「俳句への道」
...自然に下からの庶民(当時は大衆をそう云った)の側から萌え出る代りに...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...私には殺意が萌しました...
豊島与志雄 「化生のもの」
...オリヴィエの生命から萌(も)え出たその若い芽生(めば)えのうちに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...六始めて読書欲の萌(きざ)した頃...
夏目漱石 「思い出す事など」
...ひどく新しいが――」平次は萌黄染料の匂いを嗅ぎながらそんな事を言うのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...すなわちその時分に新葉が萌出し来ると前年の旧葉が落ち散るので間もなく新しい葉に変ってしまう...
牧野富太郎 「植物記」
...新たに胸に萌(きざ)した...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...一部にはすでに萌(きざ)していたためとも見られる...
柳田国男 「海上の道」
...どんな素朴な萌芽(ほうが)であったにせよ...
矢部貞治 「政治学入門」
...萌は、のがれぬところと思ったか、悲鳴の下から、「玄徳どの、縄目をゆるめ給え、申し告げることがある」と、叫んだ...
吉川英治 「三国志」
...もう草萌(くさも)えの温(ぬく)む土...
吉川英治 「親鸞」
...九州でも京畿地方でも新しい機運が五月の若葉のように萌え上っていた...
和辻哲郎 「鎖国」
...ここには「萌えにけるかも」という新緑への単純な詠嘆が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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