...早春風やはらいで嫩芽(どんが)地上に萌ゆるより...
石川啄木 「閑天地」
...もう自づと男羞しい少女心が萌(きざ)して来て...
石川啄木 「天鵞絨」
...こっちへお出(い)でよ」老婆は萌黄の茎を分けるようにしてひょろひょろと歩いて往った...
田中貢太郎 「萌黄色の茎」
...あの日に限って妙に強く萌(きざ)して来て...
谷崎潤一郎 「細雪」
...少くとも二人の間に恋愛の萌芽(ほうが)のようなものがきざしているのではないでしょうか僕がこのことを感づいたのは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...実はこの萌芽だったので...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...又更に封建的残滓を基底として急速に萌(きざ)された資本主義乃至それの〔高度化〕された〔段階を〕表現する各種の立法・行政・司法とを通路として...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...初恋は魂と魂とが萌(も)え出づるものだそうだけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...色々な思想の萌芽といつてもいゝやうなものが...
中島敦 「かめれおん日記」
...新しく萌上(もえあが)る力との...
長谷川時雨 「議事堂炎上」
...いつどこでどうして萌えだしたのか...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...耳の穴から青々と水藻(みずも)が萌えだしている...
久生十蘭 「湖畔」
...楡や柳の芽が青く萌えた法林道場の広い庭を横切って...
久生十蘭 「新西遊記」
...さらに巨大な渦巻の萌芽(ほうが)を形づくろうとしているようであった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...それゆえセリは種子からも生えれば匐枝からも萌出し繁殖甚(はなは)だ盛んである...
牧野富太郎 「植物記」
...葉に先だって株から花穂が萌出する...
牧野富太郎 「植物記」
...雪の下から萌え上る春の息吹きが感ぜられた...
松濤明 「春の遠山入り」
...いかに彼が葭萌関(かぼうかん)の防ぎを重視したかがわかる...
吉川英治 「三国志」
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