...」残雪の間に萌え出でたる嫩草の緑は...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...私は年と共に益痛切を加へ行く可き此新しい經驗の萌芽に面して困惑を感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...お定は唯もう膝の上に載せた萌黄の風呂敷包を...
石川啄木 「天鵞絨」
...萌黄縅(もえぎおどし)の鎧(よろい)はなくても...
泉鏡花 「女客」
...鮫皮(さめかわ)に萌黄糸(もえぎいと)の大菱巻(おおひしまき)の(つか)...
江見水蔭 「備前天一坊」
...落(おつ)るところに活(はたら)く萌(きざし)あるゆゑに陰にして陽の円(まろき)をうしなはざる也...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...萌え出たばかりの新芽が...
薄田泣菫 「草の親しみ」
...柿色の顔と萌黄色(もえぎいろ)の衣装の配合も特殊な感じを与える...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...後に近世自然科学の最大の収穫となった運動量やエネルギーの不滅則の萌芽が発生して来たのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...ジャックリーヌは心に萌(も)えだした感情を恐れて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...新しく萌(も)え出たばかりの輝いてる木の葉の間にさし込んでいた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あの性質は全くこの坊ば時代から萌芽(ほうが)しているのである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...萌黄(もえぎ)の眞田紐を取上げました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「その紐はこれかい」平次は八五郎の拾った萌黄の紐を見せました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...探偵小説の萌芽があらわれたということは...
平林初之輔 「日本の近代的探偵小説」
...真に地方の田畑の間から自由民約の萌芽をもり立てようとするならば...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...不良性の萌芽を心の奥に育ていつくしんでいる...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...縅(おど)しの糸は総萌黄(そうもえぎ)であった...
吉川英治 「新書太閤記」
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