...重きものの中に罪深く集いて隠れしは後の世に起りし争闘の萌芽なりき...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...この日より萌しぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...紅梅萌黄(こうばいもえぎ)の浮文(うきあや)に張裏(はりうら)したる狩衣(かりぎぬ)を着け...
高山樗牛 「瀧口入道」
...萌黄色の茎はゆらりゆらりと動いているように見えた...
田中貢太郎 「萌黄色の茎」
...それは少くとも要の中にあるフェミニズムの最初の萌芽(ほうが)だったであろう...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...座敷から見渡すと向うの河原の芝生(しばふ)が真青に萌(も)え出(い)でて...
近松秋江 「黒髪」
...そのボロボロの長屋に柿色や萌黄の蛇(じゃ)の目(め)の傘が出入りしている...
寺田寅彦 「病院風景」
...イデオロギー論の至極不完全な萌芽として見られている...
戸坂潤 「読書法」
...未来を豊富ならしむるべき萌芽(ほうが)を捜し求めてる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...酒を多く飲めば酒乱の萌(きざ)しがあり...
中里介山 「大菩薩峠」
...つまらないところの気負いが萌(きざ)してきたのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...かしこに煙の流るる空はつめたくして草はあたたかに萌えたり手はくみて歩めどもよそゆきの着物のにほひ侘しきに秋はうららに落ち來り日向に幹木の愁ちらばふ晝餉どき停車場のほとりに出でわづかなる水をたうべしに工人の居て遠き麥畑を指させり(一九一三...
萩原朔太郎 「郊外」
...男の愛する「生」の歓喜の前に自分の計画の全部を捧げてしまひたいと云ふ心が萌(きざ)すのであつた...
平出修 「計画」
...彼女の生涯の致命傷となるべき悩みの種子(たね)を彼女自身の手で萌芽させていたのであった...
夢野久作 「少女地獄」
...後おもむろに荊州を取るのが一番の良策でしょう」上(じょう)・中(ちゅう)・下(げ)一葭萌関(かぼうかん)は四川(しせん)と陝西(せんせい)の境にあって...
吉川英治 「三国志」
...ローマ帝国に侵入したゲルマン諸族の間に初めて統一の萌しが見え...
和辻哲郎 「鎖国」
...この時期に萌えいでた芽はたとえそれが生活の中心へ来なくても...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
...顔面を人格の意味に用いることの萌芽であった...
和辻哲郎 「面とペルソナ」
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