...今年の芽を可愛(かはい)く萌(ふ)いてゐる花床を知らず/\踏んでゐた...
犬養健 「朧夜」
...留萌の悲惨な出来事を想い出しさえすればきっと決まって美しかった君太郎の俤(おもかげ)を懐かしく想い出す...
橘外男 「生不動」
...萌黄(もえぎ)色龍騎兵大尉の軍服...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...萌黄(もえぎ)色に見える火の光ともまた見ようによっては蓴菜(じゅんさい)の茎のようにも見えるものが...
田中貢太郎 「萌黄色の茎」
...人形ならぬほのじろい顔が萌黄の闇の彼方(あなた)に据わった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...炭坑地風景・花ぐもりの炭車長う長うつらなり・春風ぽこぽこ驢馬にまたがつて駅構内所見・うらゝかに青い旗や赤い旗や炭坑地風景二句・うらゝかな春空のボタ山かぶる山よ・そこらぢゆう石炭だらけの石炭を拾ふてゐる・水にそうてでこぼこのみちの草萌ゆるボタ捨車・ボタ山も芽ぐんでくるスキップ・爆音...
種田山頭火 「道中記」
...萌黄の背広に萌黄の柔らかい帽子を着たこういう男にたいていな所で出くわすのは不思議なくらいです...
寺田寅彦 「先生への通信」
...しっとりした若芽が萌(も)え出し...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...萌出る物謹慎の意を表して...
直木三十五 「南国太平記」
...羽織がこれ萌黄(もえぎ)の紋綾子(もんりんず)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...これを未萌(みほう)に削除(さくじょ)せざるを得ずと...
福田英子 「妾の半生涯」
...私にもその瞬間それに似よつたものが萌(きざ)したのは事実である...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...この恋愛の萌芽と Copulationstrieb とは...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...萌黄村濃(もえぎむらご)の鎧に太刀を佩(は)いた真名女のすがたは五人の武者をはるかにぬいてみごとだった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...奔放自在に荒れまわるであろうところの最も新しい芸術の萌芽でなければならぬ...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...萌(かくほう)などとよぶ猛将が手下に加わっておるそうです...
吉川英治 「三国志」
...べつな人草(ひとぐさ)が萌(も)えんとしています...
吉川英治 「随筆 新平家」
...素朴な霊的要求が深く自然児の胸に萌しはじめたという雰囲気からであった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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