...社長は卓子(テーブル)の下を這つて向うへ拔けて拔萃(きりぬき)に使ふ鋏を逆手に握つて眞蒼な顏をして...
石川啄木 「菊池君」
...小さな眼を皿の中に萃(あつ)めていると...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...抜萃」と題する冊子ができあがったのである...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...署名して拇印をおしてくれたまえ」「それは供述書というやつなの」「そんなむずかしいもんじゃない……捜査調書の抜萃……宇野久美子に関係のある部分だ...
久生十蘭 「肌色の月」
...「全家庭教師の言行録(げんかうろく)の拔萃(ばつすゐ)が出來てしまひますわ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...割合にまとまつてゐる現実的なものを一つ二つ抜萃する...
牧野信一 「蔭ひなた」
...さて花の研究書の抜萃に移るが――(花毎にその意匠...
牧野信一 「卓上演説」
...いろんな講義録を抜萃してあれだけのノートをつくつたんだよ...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...それは夫々の頁々にゲーテの言葉が二三行宛抜萃されてゐる...
牧野信一 「日本橋」
...悲しむが如く――左ういふ自作の歌をうたつてゐる孤独の婆が描かれてゐる大型の私のきらびやかな「悲劇」に関する抜萃帖(ノートブツク)のことであるが――...
牧野信一 「真夏の夜の夢」
...何故また私がそんな抜萃書などを無闇にも街中へなど持出したかと云ふと...
牧野信一 「真夏の夜の夢」
...この一個所を抜萃しただけでも...
牧野信一 「浪曼的月評」
...私の行った以上の抜萃は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...自分もその中から若干の抜萃(ばっすい)をして持っていたのだが...
柳田國男 「和州地名談」
...翠糸女塾(すいしじょじゅく)主)談▼同年同月四日玄洋新報社朝刊切抜抜萃再録――その刺繍の上手なお嬢さんが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...芸術的に高潮した……イイナア……と思われる処だけを抜き萃(あつ)めて...
夢野久作 「能とは何か」
...その萃(すい)を抜く...
和辻哲郎 「孔子」
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