...薄地セルの華奢な背広を着た太った姿が...
有島武郎 「かんかん虫」
...あんなに好きだったんだもの! あたし華奢な女なのよ...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...この大変に気のきいた、しかし侏儒のような、そして光った黒い髯を横柄に前の方へ突出し、悧巧そうな落付のない眼を輝かせて、華奢な、神経質的な指先をもったその男こそは、今問題になった、スミスなのだ...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...姿や顔の華奢なのに似ず...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...走り寄って華奢な身体を投げかけるように...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...お寿のような華奢な女に剃刀で前から切られるのを待っているお政でもなかろうし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...女物の華奢な短刀が一と口(ふり)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...裏木戸の近く、板塀の裾(すそ)にあいてゐる犬潜りの穴は、飼犬や野良犬が往來するために、板の割れ目を押し破つて作つたもので、素より人の手でわざ/\拵(こしら)へたものではありませんが、横七寸、縱一尺ほどで、華奢な身體なら、存分人間も潜れないことはなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「いかに華奢な身体でも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...白い華奢な手の顫へも止んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...からかいなすってばかり――」華奢な撫肩をプイと反(そむ)けて...
野村胡堂 「百唇の譜」
...その華奢な手を少年の蒼白い額に当てましたが...
野村胡堂 「葬送行進曲」
...華奢な肩にかけてやつた...
林芙美子 「雪の町」
...水に晒したような絖(ぬめ)のたつ白い皮膚は、どこといって日焼けもせず、華奢な手は、依然として敏感そうに、すらりとしたかたちを保っている...
久生十蘭 「蝶の絵」
...一面滴り――その華奢な茎から絶え間ない涙が珠とこぼれる...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...師匠の華奢な肩を叩いた...
正岡容 「小説 圓朝」
...まるで貴婦人の履き料のような華奢な形のものなのである...
宮本百合子 「思い出すかずかず」
...地面に直角に立つ華奢な一本の竹であると云つた...
室生犀星 「愛の詩集」
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