...この雨にぬれている菫の紫が四角な大理石といっしょに髣髴(ほうふつ)されたものである...
芥川龍之介 「樗牛の事」
...第二部 詩人としての薄田泣菫氏一 叙事詩人としての薄田泣菫氏叙事詩人としての薄田泣菫氏は処女詩集たる「暮笛集」に既にその鋒芒(ほうぼう)を露はしてゐる...
芥川龍之介 「人及び芸術家としての薄田泣菫氏」
...菫はやっぱり紫のりぼんにX(クロス)をつけたまま逃げたのだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...空の菫がかった日光と白金色(はくきんしょく)の月は次第にうすれて行った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...菫(すみれ)が咲いてゐますこと...
土田耕平 「峠」
...星地に落ちてそのあした谷間のゆりの咲く見れば露影消てそのゆふべ岑上(おのへ)の雲の湧く見れば――おのが姿にあこがれて花(一)となりしもあるものを清き乙女(二)のむくろよりなどか菫の咲かざらむ...
土井晩翠 「天地有情」
...菫(すみれ)色――凡(すべ)て...
中島敦 「光と風と夢」
...中には菫か雀(すずめ)の稗(ひえ)か分らぬようなものもある...
中谷宇吉郎 「科学と文化」
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楢崎龍、川田雪山 「千里の駒後日譚拾遺」
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野口雨情 「朝おき雀」
...藪蔭には蝦夷菫(すみれ)...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...しかしこれを菫菫菜と菫の字を二つ層(かさ)ねて用いた時にはここに始めてそれがスミレとなる...
牧野富太郎 「植物記」
...菫(芹) セロリ(オランダミツバ)菫菜(芹菜) セロリ(オランダミツバ)菫菫菜 スミレの一種である...
牧野富太郎 「植物記」
...旱菫(かんきん)とも...
牧野富太郎 「植物知識」
...胸のところに紫の菫(すみれ)の花束をお飾りになった...
三浦環 「お蝶夫人」
...貧しき子供の群に入りてわれも菫花(すみれ)売ることを覚えつ...
森鴎外 「うたかたの記」
...菫の輪飾が戴かせてある...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...情熱の泉のような菫色をした瞳...
渡辺温 「絵姿」
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