...自殺したがつたりせるは当時の星菫(せいきん)詩人よりも数等近代人たるに近かるべし...
芥川龍之介 「病中雑記」
...小木曾(をぎそ)の山(やま)のえぞ菫(すみれ)...
薄田淳介 「白羊宮」
...その時に先生がこれはアルペン菫(ファイルヘン)という花だと教えてくれた...
寺田寅彦 「病室の花」
...家に籠りて薄田泣菫子が小品文集落葉を読む...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...三色菫(さんしきすみれ)だ...
中原中也 「疲れやつれた美しい顔」
...十七 菫良寛さんは...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...當時の泣菫はキーツであつた...
萩原朔太郎 「永遠の詩人」
...その菫色がたまらなく好きであった...
堀辰雄 「美しい村」
...右の菫菜なる者は支那...
牧野富太郎 「植物記」
...そしてこの菫も菫菜も両方共に少しもスミレとは縁の無い字である...
牧野富太郎 「植物記」
...先日老いぼれて墓場へくたばりこんだ男はかつて星と菫に青ざめながらもっとしぶとい強盗共の進軍を眺めてこう言ったものだ――バイロン・ハイネの熱なきも……――ヨサノ・テッカンこゝにあり……現在の日本には...
槇村浩 「長詩」
...正面に亀野座(かめのざ)といふ札あるは菫(すみれ)の如(ごと)き草なり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...胸のところに紫の菫(すみれ)の花束をお飾りになった...
三浦環 「お蝶夫人」
...菫はしぼみ、たんぽぽは風に飛散り、茅花(つばな)は白く穗になつて、土筆の叔母さんばかり勢ひよく延びる頃の事であつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...五年ごろ菫色のカシミヤの袴の色のさめたのを...
宮本百合子 「親子一体の教育法」
...菫花のしろ取らせむ...
森鴎外 「うたかたの記」
...菫をこの遊戯に使用したのは...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...次に行司格の西田菫坡老は雑俳の名人...
山本笑月 「明治世相百話」
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