...三 薄田泣菫氏の風采薄田泣菫氏は希臘の神々のやうに常に若い顔をしてゐる...
芥川龍之介 「人及び芸術家としての薄田泣菫氏」
...まだ半分しか出來ぬと云ふ『野菫』と題した新體詩を出して見せた...
石川啄木 「病院の窓」
...落ちた菫(すみれ)色の絹に風が戦(そよ)いで...
泉鏡花 「婦系図」
...菫が咲いて蝶の舞う...
泉鏡花 「婦系図」
...菫の花を掻潜(かいくぐ)った尾に...
泉鏡花 「婦系図」
...うつくしい菫(すみれ)色の大きな星が空に輝いている――と思ったが...
海野十三 「海底都市」
...私は花売女に盗まれないように卓子(テーブル)の上で菫の束を握っていることにした...
谷譲次 「踊る地平線」
...ドウやらすると菫(すみれ)の一輪...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...菫めが隠してをつたのか...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...まづ鳥目をその葉の下に隠した菫を摘んだ...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...「菫なんかいらん...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...しかしこれを菫菫菜と菫の字を二つ層(かさ)ねて用いた時にはここに始めてそれがスミレとなる...
牧野富太郎 「植物記」
...いま圓朝の目の前には進まねばならない「道」が菫(すみれ)たんぽぽ咲きみだれて...
正岡容 「小説 圓朝」
...菫(すみれ)、苧環(をだまき)、櫻草、丁字草(ちやうじさう)、五形(げんげ)、華鬘草(けまんさう)の類(たぐひ)は皆此方に栽(う)ゑて枕元を飾るべし...
正岡子規 「花枕」
...暮れぬめり菫(すみれ)咲く野の薄月夜(うすづくよ)雲雀(ひばり)の声は中空(なかぞら)にしてこの歌拙(つたな)く候...
正岡子規 「人々に答ふ」
...正面に亀野座(かめのざ)といふ札あるは菫(すみれ)の如(ごと)き草なり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...その上に時ならぬ菫花(すみれ)の束を...
森鴎外 「うたかたの記」
...梅、桜、牡丹、芍薬(しゃくやく)、似たりや似たり杜若(かきつばた)、花菖蒲(しょうぶ)、萩、菊、桔梗(ききょう)、女郎花(おみなえし)、西洋風ではチューリップ、薔薇、菫(すみれ)、ダリヤ、睡蓮、百合の花なぞ、とりどり様々の花に身をよそえて行く末は、何処(いずこ)の窓、誰が家の床の間に薫るとも知らず、泣きつ笑いつ、はかなくかぐわしい夢に浮かれる人々も亦、この中(うち)に数えねばならぬのではありますまいか...
夢野久作 「鼻の表現」
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