...この位莫迦(ばか)にされれば世話はないな...
芥川龍之介 「好色」
...こう世の中が世智辛(せちがら)くなっては緑雨のような人物はモウ出まいと思うと何となく落莫(らくばく)の感がある...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...こんどは騒ぎを莫迦(ばか)にしたようにパーッと室内の電灯が煌々(こうこう)とついた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...莫大な礼金を貰って...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...また寂莫たり」といつたのも...
薄田泣菫 「侘助椿」
...……その大莫迦者は我々四十五年の歳月をかけて専門に研究しているものの眼を晦(くら)ますほどに...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...そして左手遠くなだらかな丘の麓(ふもと)に殷賑(いんしん)な市街を見下ろした雄大な景色は莫迦(ばか)にしていた私の想像を根柢から裏切って...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...歌うて遅きこと莫(なか)れ...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...「そうすればお上さんもお勤めがなくて楽でしょう」「莫迦なことを言って下さるなよ...
徳田秋声 「あらくれ」
...必ず莫大なる経費を要せざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...莫大な国防献金と云っても...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...莫大な罰金を毛唐に取られ...
中里介山 「大菩薩峠」
...莫大な研究費と便宜とが与えられるのは...
中谷宇吉郎 「アメリカの沙漠」
...清興を妨げる事は莫大(ばくだい)であった...
「入社の辞」
...心の落莫は隠しきれず...
久生十蘭 「川波」
...噴水の鶴が鳴くとか鳴かんとか莫迦莫迦しいことをいっておるが」真名古は例によって陰気な声で...
久生十蘭 「魔都」
...酔テ沙場ニ臥ス君笑フコト莫(な)カレ...
牧野富太郎 「植物記」
...これにも莫大の出演料が必要とされた...
正岡容 「小説 圓朝」
便利!手書き漢字入力検索