...』と莨に火を點(つけ)る...
石川啄木 「鳥影」
...紙莨を吹かし乍ら...
石川啄木 「漂泊」
...うっかり巻莨(まきたばこ)を取出しながら...
泉鏡花 「婦系図」
...私は莨(たばこ)を深く吸い込みながら...
梅崎春生 「桜島」
...巻莨(まきたばこ)も...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...父親も側で莨を喫いながら口小言を言った...
徳田秋声 「足迹」
...莨の吸殻などの落ち散った汚い地面はまだしっとりして...
徳田秋声 「足迹」
...今度は莨(たばこ)を喫(す)い出した...
徳田秋声 「新世帯」
...」笹村はその男が持っていたという銀煙管(ぎんぎせる)で莨をふかしながら聞いたが...
徳田秋声 「黴」
...お民は身動きもせず悠然として莨の烟を吹いている...
永井荷風 「申訳」
...それともダイヤを商(あきな)つたのか?マリアの像の熱き御足に金の花をば萎ませたらうか?西洋莨(はしりどころ)の黒い血は掌(てのひら)の中で覚めたり睡(ね)たり...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...平岡は巻莨(まきたばこ)に火を点(つ)けた...
夏目漱石 「それから」
...君よりずっと年長者の積りだ」平岡は巻莨(まきたばこ)の灰を...
夏目漱石 「それから」
...主人は巻莨入(まきたばこいれ)から敷島(しきしま)を一本取って...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...莨を吸わぬ事が別に自慢にもならぬと思ったから...
「文士の生活」
...莨を口にくはへたまま...
堀辰雄 「生者と死者」
...喫い残しの莨が灰の固りといっしょに惜気もなく打遣られるのをみて爺さんは心底から勿体ないなあ...
矢田津世子 「神楽坂」
...おとついまではござっただがねえ」杢助は莨入(たばこい)れを取った...
山本周五郎 「似而非物語」
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