...荒涼とした周囲の原野を眺めながら...
芥川龍之介 「芋粥」
...私は荒涼とした思いをいだきながら...
芥川龍之介 「日光小品」
...何処となく荒涼とした粗野な自由な感じ...
有島武郎 「北海道に就いての印象」
...やはりもとの何の生気もない荒涼とした景色であった...
伊藤野枝 「転機」
...荒涼とした野面にむけて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...荒涼とした彼の生活に...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...歪んだやうな荒涼とした姿である...
種田山頭火 「行乞記」
...逃走する逃走するあの荒涼とした地方から都會から工場から生活から宿命からでも逃走するさうだ! 宿命からの逃走だ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...その物語の人物は巴里の荒涼とした下宿の一室で独り深淵を視つめてゐるのだつた...
原民喜 「火の子供」
...相手が谷間の荒涼とした風景をながめているのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...荒涼とした漁村の自然と貧苦とに耐へて育まれた彼の強靭な生命力が...
北條民雄 「盂蘭盆」
...見とれていた風景は荒涼とした岩肌が延々と続く...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...出かけて行ったそこの荒涼とした風景のなかで...
本庄陸男 「石狩川」
...荒涼とした海の巨大な円盤が...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...あたりは荒涼とした砂丘でなければ砂山のつらなりで...
室生犀星 「みずうみ」
...一帯の光景が荒涼とした暗の中に慰めに見えてひどく彼は寂しくなった...
横光利一 「旅愁」
...荒涼とした淋しさを...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...ひどく荒涼とした景色であった...
蘭郁二郎 「自殺」
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