...はだ寒い荒涼たる風景の中に...
海野十三 「火星兵団」
...地表面は細菌と毒ガスとに荒れはて生き物はおろか草一本生えていない荒涼たる風景を呈していた...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...荒涼たる岩ばかりの無限の大渓谷(だいけいこく)です...
江戸川乱歩 「影男」
...「実に荒涼たるもんだなあ...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...道は何だか荒涼たる六里ヶ原を横ぎる...
種田山頭火 「旅日記」
...今の荒涼たる胸をも救ってくれる事が出来るだろう...
田山花袋 「蒲団」
...それからの後の場面で荒涼たる大雪原を渡ってくるトナカイの大群の実写は...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...勃然として新鮮なる興味が荒涼たる原子野に湧き上がる...
永井隆 「長崎の鐘」
...荒涼たる廃虚にはじめて贈られた美しきもの...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...焼野が原の跡が転(うた)た荒涼たる時...
中里介山 「大菩薩峠」
...お銀様はその荒涼たる墓地の中の細道を分けて進んで行くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...今まで自分の経験に於てはじめて見る荒涼たる広っ原だと...
中里介山 「大菩薩峠」
...やっぱり荒涼たる荒野原で...
中里介山 「大菩薩峠」
...全くかけ離れた荒涼たる磯辺で...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...また当年の落莫(らくばく)荒涼たる御所の有様や朝儀の廃(すた)れや幕府の無力や人心の頽廃(たいはい)など――見るもの聞くものに若い心を打たれながら――実に彼の大志は泉のごとく噴き出したものだった...
吉川英治 「上杉謙信」
...荒涼たる炉のまわりは...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...私は荒涼たる野づらを歩きながら...
淀野隆三 「横光さんと梶井君」
...この荒涼たる原が...
蘭郁二郎 「自殺」
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