...主家の御次男、村丸という若殿、御総領の重丸のよろず大人びて気立やさしきに似ず、まことに手にあまる腕白者にて、神崎はじめ重臣一同の苦労の種であったが、城主荒木は、優雅な御総領よりも、かえってこの乱暴者の御次男を贔屓(ひいき)してその我儘(わがまま)を笑ってお許しになるので、いよいよ増長し、ついに或(あ)る時、蝦夷(えぞ)とはどのような国か、その風景をひとめ見たい、と途方もない事を言い出し、家来たちがなだめると尚更(なおさら)、図に乗って駄々(だだ)をこね、蝦夷を見ぬうちはめしを食わぬと言ってお膳(ぜん)を蹴飛(けと)ばす仕末であった...
太宰治 「新釈諸国噺」
...尚又謀叛に組した廉(かど)で遠流(おんる)に処せられた人々は、延寿院玄朔、紹巴法眼、荒木安志、木下大膳亮(だいぜんのすけ)等であったが、それについて太閤記は云う、「たとひ秀次公謀反(むほん)を思召立(おぼしめしたち)給ふ事有共、かやうの人々を其使におぼし寄給はんや、各御反逆之事聊(いさゝか)以不レ奉レ存旨申上度思ひ侍れ共、長盛三成が威に恐れて取次人もなく、奉行人指図に任せて、配所に赴(おもむき)にけり」と...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...時の陸相荒木大将と呼応して大いに名を挙げた農村主義者のファシストとも見做していい後藤農相が...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...池田の人がひどくその荒木蘭皐の關係と共に富永贔負でありまして...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...甚左衛門は、己の腕をたのんで、敵を知ろうとしないが、荒木は、己を知り、敵をも知ろうとしていると、考えた...
直木三十五 「寛永武道鑑」
...荒木と太刀打をしたが...
直木三十五 「寛永武道鑑」
...音に聞く荒木又右衛門が武勇を現わしたところじゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...壁の繕(つくろ)ひか何にかに使つた荒木田(あらきだ)が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...荒木はともかく、わしどもにはただもうまぶしくてうかつにそばへもよってゆけぬようなありさまだったのであります...
久生十蘭 「海豹島」
...少女荒木久子といふ花柳流の天才踊り手が...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...荒木村重ほどの者が...
吉川英治 「黒田如水」
...村重に説かれてやむなく居残った宿老荒木久左衛門...
吉川英治 「黒田如水」
...なお余勢(よせい)ある荒木村重の尼ヶ崎と花隈の二城へたいして...
吉川英治 「黒田如水」
...「尼ヶ崎の荒木村重という敵方の将が...
吉川英治 「新書太閤記」
...荒木村重の謀叛(むほん)に組し...
吉川英治 「新書太閤記」
...荒木村重の片腕とも恃(たの)まれていた中川清秀(きよひで)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...一生懸命にお掃除をなさいね」五荒木田氏富(うじとみ)は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...佐久間信盛のほかにもう一人注目すべきは荒木村重である...
和辻哲郎 「鎖国」
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