...静かに荒廃した町を見おろしている――と...
芥川龍之介 「偸盗」
...マッタアホーンの頂上には荒廃した都会があり...
石川欣一 「可愛い山」
...何か荒廃した感じがふと宇治の嫌悪をそそったが...
梅崎春生 「日の果て」
...国の荒廃した部分からの難民はローマ市に群がり...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...その隣になった荒廃した地所はもと宋の丞相賈秋壑(こしゅうがく)が住んでいた所である...
田中貢太郎 「緑衣人伝」
...かれはこの荒廃したあたりのさまが自分のこの心の境涯にそつくりであることを思つた...
田山録弥 「船路」
...サン・マルソー郭外のその荒廃した片すみにある最も質素な人家の前に好んで足を止めてるようだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...江戸へ出る時に見た荒廃した蔵屋敷の記憶は...
直木三十五 「南国太平記」
...同じ荒廃した光景でも名高い宮殿や城郭(じょうかく)ならば三体詩(さんたいし)なぞで人も知っているように...
永井荷風 「日和下駄」
...一生の好伴侶を失つて淋しい老女詩人と少しもつくろはぬ老僧とがやや荒廃した鉄舟寺の方丈で相対してゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...荒廃した建物の破片の山の間に横たわっていた...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...また荒廃した扉口に吊られ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...その寺が荒廃した後...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...石で畳みたる荒廃した部屋...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...荒廃した堂宇(どうう)に...
室生犀星 「天狗」
...荒廃した庫裡(くり)と物置の裏手に気づいて...
吉川英治 「私本太平記」
...荒廃した通廊を下った...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...荒廃した境内の風情(ふぜい)もおもしろかった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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