...古寺の墓場のように荒廃した胸の中のにおいがして来て...
岩野泡鳴 「耽溺」
...地震でドウなったか知らぬが大方今は散々に荒廃したろう...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...荒廃した彼の健康の最後の支柱だった精神力を...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...荒廃した病院のような感じの彼のアパートに導かれた時には...
太宰治 「女神」
...其処には荒廃した祠(やしろ)が夕闇の底に見えていた...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...村長につれられて夥(おびたゞ)しく荒廃したその無住の寺の山門へと入つて来た...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...それがあたりの荒廃した物象の中にはつきりと際立(きはだ)つて見えた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...荒廃した無音の地だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...赫(あか)ちゃけたひどく荒廃した感じだった...
徳永直 「冬枯れ」
...荒廃した城(ブルク)……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...サン・マルソー郭外のその荒廃した片すみにある最も質素な人家の前に好んで足を止めてるようだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...江戸へ出る時に見た荒廃した蔵屋敷の記憶は...
直木三十五 「南国太平記」
...同じ荒廃した光景でも名高い宮殿や城郭(じょうかく)ならば三体詩(さんたいし)なぞで人も知っているように...
永井荷風 「日和下駄」
...一生の好伴侶を失つて淋しい老女詩人と少しもつくろはぬ老僧とがやや荒廃した鉄舟寺の方丈で相対してゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...かなり荒廃した海鼠塀(なまこべい)の一軒の屋敷...
吉川英治 「江戸三国志」
...荒廃した通廊を下った...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...荒廃した姿のまま数えきれない程の年月を過ごしていたはずなのだが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...いかにも荒廃した古寺らしい気分を味わわせる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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