...そして荒寥(こうりょう)たる土地のうえに落ちて来る暗澹たる夜の淋しさをひしひしと感じて...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...この離宮は岩多きガダラマの荒寥たるなかに...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...東京の秋景色は荒寥としてゐて眼に纏りがない...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...滿目悉く荒寥としてゐるのに堪えかねて私は暫く土堤を歩いてゐたが...
近松秋江 「初雪」
...人里がありそうにも思えない荒寥(こうりょう)たる感じで...
徳田秋声 「縮図」
...其処らが荒寥としてゐた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...人気も無い荒寥(こうりょう)を極めた山坡に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...荒寥(こうりょう)たる趣味の燃え屑(くず)を残すに過ぎないのではあるまい乎...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...関東附近の村は全体に荒寥(こうりょう)として...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...自然の中で荒寥とした山の中腹で...
萩原朔太郎 「宿命」
...正に荒寥たる地方に於ける流刑囚の移民の如きものであつた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...――荒寥地方――くづれる肉體蝙蝠のむらがつてゐる野原の中でわたしはくづれてゆく肉體の柱(はしら)をながめた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...汽車は曠野を走り行き自然の荒寥たる意志の彼岸に人の憤怒(いきどほり)を烈しくせり...
萩原朔太郎 「氷島」
...久遠に輪を斷絶するもああかの荒寥たる平野の中日月我れを投げうつて去り意志するものを亡び盡せり...
萩原朔太郎 「氷島」
...荒寥(こうりょう)とした高原の...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...天下荒寥(あれすさ)むといい...
南方熊楠 「十二支考」
...もと富士山下の荒寥たる田舎を出て...
柳田国男 「雪国の春」
...かう云ふ荒寥とした沙の世界を目にすると...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??