...それは樫の木の荒削りで...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...中央に穴のある荒削りの石があり...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...荒削りな肌の細部を隠してしまったので...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...山で荒削りにされたまま軒下に積まれてある...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...荒削りのやうな相貌に見とれてゐるらしかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...向い合せに坐っていた荒削りの食卓越しに...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...そういったようなデリケートな細工などは一切抜きにして全く荒削りの嘆きの天使ができあがっているようである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...もちろん、絵は荒削りで、いろいろな欠点もありました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...檜材は早速荒削りされて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...底がぬけかかったのを荒削りの松板を釘でぶっつけてある...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...荒削りの松板に直(ぢか)に坐っている上にあっちこっちにぶっつけるもんだから頭じゅう瘤(こぶ)だらけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...荒削りの板で作った柩(ひつぎ)があって...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...窓下の荒削りなテエブルと...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...傍に立っている茶店の表の角柱の荒削り三寸角ばかりの奴をズバッと切る...
三好十郎 「斬られの仙太」
...荒削りな大将に石山観音の霊験が現われた結果になった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...荒削りの板壁で立ち切つてあつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...荒削りな神経の持ち主ではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...饑(ひも)じさと、恐ろしさと、苦痛と、寒気と、そして他の座員の嘲笑とが、もう毎度の事だったが、黒吉の身の周りに、犇々(ひしひし)と迫って、思わずホロホロと滾(こぼ)した血のような涙が、荒削りの床に、黒い斑点を残して、音もなく滲(し)み込んで行った...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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