...折から荒れ狂うた浪を踏んで...
芥川龍之介 「じゅりあの・吉助」
...すべてこうした懸命な努力は、降りしきる雪と、荒れ狂う水と、海面をこすって飛ぶ雲とで表わされる自然の憤怒(ふんぬ)の中で行なわれたのだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...また向う側の監房で荒れ狂う音がする...
大杉栄 「続獄中記」
...ここまでは荒れ狂う波もおそってこない...
高見順 「いやな感じ」
...私の血はさらに逆流し荒れ狂う...
太宰治 「黄村先生言行録」
...烈風強雨こもごも至ってひとしきり荒れ狂うていたが...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...荒れ狂う自然の猛威を見ては...
谷崎潤一郎 「細雪」
...よっぴて荒れ狂うていたが...
近松秋江 「狂乱」
...荒れ狂う風の打撃を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...座敷いっぱいに荒れ狂うている形相(ぎょうそう)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...天上界も狭しとばかり荒れ狂うた...
中島敦 「悟浄歎異」
...荒れ狂う三吉を舷(ふなばた)から川の中へ押し転がすのと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...(何がこのように荒れ狂うのだろうか)今迄に感じたことのない不思議な新鮮な疲れだ...
原民喜 「死のなかの風景」
...荒れ狂うものに攫(さら)われまいとしているし...
原民喜 「冬日記」
...開かずの水門裏には荒れ狂う洪水があるに違いない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...獅子は舞台一面荒れ狂うので鉄砲の狙いがつかずまごまごしていました...
三浦環 「お蝶夫人」
...荒れ狂う飢饉(ききん)疾疫(しつえき)のさなかにおいて...
柳田国男 「海上の道」
...まるで荒れ狂う海原(わだつみ)だった...
吉川英治 「新書太閤記」
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