...荒れ果てた畑に見切りをつけて鮭(さけ)の漁場にでも移って行ってしまったのだろう...
有島武郎 「カインの末裔」
...ねじけきって辿(たど)りついたこの密林の中の荒れ果てた一軒家だった...
海野十三 「蠅」
...時代のついた荒れ果てた邸(やしき)である...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...道路と荒れ果てた昔の住居(すまひ)とを凝視(みつ)めてゐた...
オウ・ヘンリ 三宅幾三郎訳 「水車のある教會」
...水びたしの荒れ果てたところであった...
薄田太郎 「広島という名の由来」
...廃墟のやうに荒れ果てた邸宅は惨めな残骸をさらしてゐるが...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...荒れ果てた本堂に籠(こも)るものは...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...やはり住む人がなくて荒れ果てた廃屋のような気がする...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...裏道といえば荒れ果てた垣根に沿って...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...手のつけようもなく荒れ果てた庵寺...
中里介山 「大菩薩峠」
...一面に荒れ果てた土地である...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...格子の前へ來る荒れ果てた道を指しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...荒れ果てた絵のような姿で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...私には何だか荒れ果てた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ひよいとそんな荒れ果てた庭園が目に入るので...
堀辰雄 「あひびき」
...さういふ荒れ果てた庭といふよりか花さける藪といつた方がいいやうなものに取りまかれてゐるために...
堀辰雄 「おもかげ」
...急に一つの荒れ果てた空地を背後にした物置小屋に近い小さな家の前に連れ出された...
堀辰雄 「幼年時代」
...荒れ果てた気分を描きあらわしていて...
夢野久作 「二重心臓」
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