...さながら荒れ果てた墓地に根をおろしているサイプレスの木が...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...ろくろく人も住んでいない荒れ果てた小島で...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...――2400形式・73号だ!」それから数分の後――荒れ果てた廃港の...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...こんな荒れ果てた山の墓所には珍しく立派な扉の締る音がギーと胸を刳(えぐ)って淋しく響いてきて...
橘外男 「逗子物語」
...雨は荒れ果てた池の上に殼紋をつくつて降り頻つてゐた...
田山花袋 「道綱の母」
...煙突なども倒れかかったままになってなんとなく荒れ果てたながめである...
寺田寅彦 「写生紀行」
...ああ、飛んでもない目に遇ってしまった」お絹は炉の傍に坐りかけてこの内の模様を見ると、荒れ果てた古寺...
中里介山 「大菩薩峠」
...その祠は荒れ果てた小さなものであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...手のつけようもなく荒れ果てた庵寺...
中里介山 「大菩薩峠」
...ある所は荒れ果てた庭園の体(てい)に見えた...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...冬はもう荒れ果てた彼らの庭に霜柱の錐(きり)を立てようとしていた...
夏目漱石 「道草」
...あまりにも荒れ果てた樣子に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妙法寺のように荒れ果てた感じではなく...
林芙美子 「落合町山川記」
...荒れ果てた棲家のようであったか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...私はその殆(ほとん)ど昔のままの荒れ果てた空地を見ると...
堀辰雄 「幼年時代」
...あたり一面荒れ果てた燒跡の中で...
三好十郎 「肌の匂い」
...此の広い荒れ果てた寺(てら)に唯つた独り自分の居(ゐ)ると云ふ事が...
與謝野寛 「蓬生」
...そんな荒れ果てた景色の中に...
蘭郁二郎 「自殺」
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