...」――信子は荒れた庭を気味悪さうに...
芥川龍之介 「秋」
...(拍手)△縣債を起して放蕩を勸める先刻申上げました通り栃木縣は山の樹木の拂下を受けた所があるが爲め山が荒れて河川が荒れた...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...人気のない地内には大きな古屋敷の左右に、荒れた小家が二、三軒あったが、立ち木が多く、草が茂っていた...
徳田秋声 「黴」
...それはをかしいほど荒れた...
徳田秋声 「風呂桶」
...三千代の未来が凄(すさま)じく荒れた...
夏目漱石 「それから」
...3昼食時になると炭坑いつぱいに銅羅が鳴り響いて待ちかまへてゐたやうに土の中からまるで石ころのやうな人間が飛び出して来る『オーイ! カチユーシヤ飯にしろい!』陽向葵はどんな荒れた土の上にも咲いてゐた自由な空気をいつぱい吸つた坑夫達は飯を頬ばつたり女房の鼻をつまんだりしてキビキビした笑ひを投げあつてゐる油陽照りの八月だ!4直方の町は海鼠のやうに侘しい...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...荒れた狭い庭の柿の木には霜(しも)を置いたやうな小粒な渋柿(しぶがき)がいくつか実つてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...荒れたらしか様子じゃね...
火野葦平 「花と龍」
...いかに阿修羅(あしゅら)のように荒れたとて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...霜で荒れた土の上に箒をあてるといふわけにゆかないから...
室生犀星 「冬の庭」
...昔は海が荒れたり悪い陽気の続く時には...
柳田國男 「日本の伝説」
...糊(のり)の仕込みで荒れた...
山本周五郎 「さぶ」
...その向うに荒れた草原がひろがっていた...
山本周五郎 「つばくろ」
...荒れたことをなすったりします...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...荒れたままになっていた...
吉川英治 「三国志」
...ひどく山の荒れた晩があった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...荒れた庭と鍛冶小屋が東の片隅に見えた...
吉川英治 「山浦清麿」
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