...樹木の多い庭は荒れ果て...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...庵室めいた荒れた建物が見え...
岩本素白 「寺町」
...もう篠つく雨となつて海上は大荒れに荒れだした...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...少しでもそれが容れられないと荒れ狂うようにして乱暴した...
大杉栄 「獄中記」
...今まで吹き荒れていた風が突然ないだかのように世の中が静寂になりそうして異常に美しくなったような気がした...
寺田寅彦 「自由画稿」
...一あの頃島村の心は荒れていた...
豊島与志雄 「別れの辞」
...堂宇は朽廃し墓地も荒れ果てゝゐた...
永井荷風 「里の今昔」
...手のつけようもなく荒れ果てた庵寺...
中里介山 「大菩薩峠」
...中はかなり荒れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...血の荒れの見え透(す)く獣物(けだもの)じみた武辺流のなかでは...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...山のような大波が狭戸(せと)の渦海(うずうみ)のように荒れ狂っているのが...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...なおも吹き荒れる暴風雨が...
火野葦平 「花と龍」
...永遠 風に荒れて 兇行の日々は殷賑たれ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...それに絵がやや荒れて昔ほどの落ちつきを欠くのは時代のせいで致し方もない...
柳宗悦 「現在の日本民窯」
...「手が荒れているようだが」と終りに重太夫が作兵衛に訊いた...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...夜目にも荒れ果てた庭草の間を手を引かれて行くと...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...何の目的もなしに荒れ狂い吼えまわる事である...
夢野久作 「戦場」
...土に手が荒れたであろう」「はい...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索