...いまはこんなささやかな草の庵を結んでゐるが...
太宰治 「お伽草紙」
...いまはこんなささやかな草の庵を結んでゐるが...
太宰治 「お伽草紙」
...見るかげも無き草の庵(いおり)に...
太宰治 「新釈諸国噺」
...草の庵も風流の心からではなく...
太宰治 「新釈諸国噺」
...草の庵も去年にかわって活気を呈し...
太宰治 「新釈諸国噺」
...そのひとが草の庵(いおり)のわびの世界で対抗したのだから面白いのだよ...
太宰治 「庭」
...草の庵の柴の戸ぼそは近づく者を拒まないで...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...何処かの「片山里(かたやまざと)に草の庵(いおり)を結んで...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...たしかに人間のむすんだ草の庵(いおり)があるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...その草の庵には、過去に於て、人の住んでいた痕跡は充分ですが、現在に於て、人の住んでいないという証拠もたしかです...
中里介山 「大菩薩峠」
...「昔思ふ草の庵(いほり)の夜(よる)の雨に涙なそへそ山ほととぎす」これは「盧山雨声草庵中」といふ句のある白楽天の漢詩を日本風に訳したものだと言ふ...
萩原朔太郎 「詩の翻訳について」
...凧のかげ夕方かけて読書かな夕立やかみなり走る隣ぐに沓かけや秋日にのびる馬の顔鯛の骨たたみにひらふ夜寒かな秋ふかき時計きざめり草の庵石垣に冬すみれ匂ひ別れけり彼の俳句の風貌は...
萩原朔太郎 「小説家の俳句」
...(明治三十一年三月二十日)二蚊遣火(かやりび)の煙にとざす草の庵(いお)を人しも訪はば水鶏(くいな)聞かせむこの歌句法ととのはず...
正岡子規 「人々に答ふ」
...七日ほど経て鶴次郎吾が草の庵を訪れぬ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「われなくて草の庵(いほり)は荒れぬともこの一ことは枯れじとぞ思ふこうしてお話のできるのもこれが最終になるような心細い感情を私はおさえることができずに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...移し植ゑて思ひ乱れぬ女郎花浮き世をそむく草の庵(いほり)にと書いて出した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...やがて其歌ふを聞けば曰く天地乾坤(けんこん)みな一呑や草の庵大千起滅す一塵(いちぢん)の裡(うち)味ひ得たり渋茶一ぱい利刃一閃浮世を斬(きつ)て真ッ二ツ活血(くわつけつ)流れよ未来万年 (白表女学雑誌)嗚呼(あゝ)是れ健康なる思想の表彰として賀すべきの事なりや...
山路愛山 「凡神的唯心的傾向に就て」
...次の句「盧山夜雨草庵中」を「草の庵を誰かたづねん」と変えて書きつけて返す...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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