...気忙(きぜわ)しそうに茶の間を出て行った...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...その足でラムプを茶の間に運んで火をともした...
有島武郎 「星座」
...早く茶の間口から若い女房の目には映ったのであった...
泉鏡花 「薄紅梅」
...茶の間から始まって...
海野十三 「俘囚」
...熟睡しているのを見届けて茶の間に入り...
谷崎潤一郎 「鍵」
...茶の間の電氣を點(つ)けて其邊を見まわすと...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...天井に厚硝子の嵌(はま)った明り取りのある茶の間や...
徳田秋声 「足迹」
...敏子さんは私をいきなり茶の間へ引張っていって...
豊島与志雄 「好意」
...それが茶の間の長押の上に三角の棚を打付けてその上に載せてあるのだが...
中原中也 「引越し」
...玄関から真直(まっすぐ)に行けば、茶の間、お嬢さんの部屋と二つ続いていて、それを左へ折れると、Kの室、私の室、という間取(まどり)なのですから、どこで誰の声がしたくらいは、久しく厄介(やっかい)になっている私にはよく分るのです...
夏目漱石 「こころ」
...それを茶の間の縁(えん)に置いて...
夏目漱石 「道草」
...茶の間の火鉢(ひばち)の前には黒塗の足のついた膳(ぜん)の上に布巾(ふきん)を掛けたのが...
夏目漱石 「明暗」
...すると茶の間の襖(ふすま)が二尺ばかり開(あ)いていて...
夏目漱石 「門」
...それから例のような茶の間と座敷と洋灯(ランプ)と箪笥(たんす)を見て...
夏目漱石 「門」
...いつの間(ま)に御帰りですか」茶の間ではしんとして答がない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...茶の間に坐っていた女がいきなり亭主におこりつけた...
宮本百合子 「秋の反射」
...私が二階から下りて来て茶の間の柱によりかかって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かれが下りて茶の間にはいると父の造平は...
室生犀星 「めたん子傳」
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