...茫々たる流転(るてん)の相(さう)...
芥川龍之介 「骨董羹」
...髪(かみ)も茫々(ぼうぼう)として宿(やど)に帰(かえ)って来(き)た...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...或る方面は草茫々(ぼうぼう)として樹木繁(しげ)り...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ただ茫々たるものである...
太宰治 「お伽草紙」
...茫々(ぼうぼう)たる宇宙に於て...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...だん/\進んで見るから茫々たるあたりへ行つた時彼は船底の棹を取つてしばらく突張つて居たが...
長塚節 「土浦の川口」
...大沼の岸辺に立った時は、水平線は霧にまぎれて、石狩岳もトムラウシもありやなしや、ただ茫々漠々、水辺に偃松がはえていなかったら、山か海かわからない不思議な景色だった...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...あの辺は茫々(ぼうぼう)としているのでしょう」妻はみた夢に脅え訝(いぶか)りながら彼に語った...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...石崖の上は茫々と雑草が茂つてゐて...
原民喜 「潮干狩」
...こんなに茫々として気が抜けたものになっているのは...
原民喜 「鎮魂歌」
...茫々(ぼうぼう)としたうす闇のなかに立っていた...
本庄陸男 「石狩川」
...大きな茫々たる平原の北方にある...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...石白く茫々たる磧(かわら)の草も末枯れて茜色に染まり...
室生犀星 「童話」
...涯(はて)しもない湿地の上に波打つ茫々(ぼうぼう)たる大草原の左手には...
夢野久作 「死後の恋」
...霧は茫々と際限なく続いた雪原と同じだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...私はロシアの茫々たる平原の天と地を眺め...
横光利一 「欧洲紀行」
...夏(なつ)茫々(ぼうぼう)――思いあわせればこの夏の初め頃から...
吉川英治 「三国志」
...茫々(ぼうぼう)十七年...
吉川英治 「茶漬三略」
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