...それに隣(とな)った仁右衛門の畑は見渡す限りかまどがえしとみずひきとあかざととびつかとで茫々(ぼうぼう)としていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...人家まばらに草茫々と目に遮(さえぎ)るものもないその頃の鳥越からは海が見えたかも知れぬが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...茫々(ぼうぼう)たる三千年の歴史が...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...茫々漠々、真夏の太陽が照りつける、……私はまさに身心のひでりにあえいでゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...また英国内閣がかのゴードン将軍をして刀折れ矢尽き茫々(ぼうぼう)たるスーダン熱沙(ねっさ)の大漠(たいばく)に...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...肺結核!茫々(ぼうぼう)たる野原にただひとり立つ旅客(たびびと)の...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...何処まで行っても茫々とした朧月夜の湖で...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...左右は孰れも茫々として際涯もないかと思ふ程蜀黍畑が連續して居る...
長塚節 「彌彦山」
...いたずらに茫々(ぼうぼう)たる時に身神を限らるるを恨(うら)むに過ぎぬ...
夏目漱石 「一夜」
...実は書物を読んでも何が書いてあるか茫々(ぼうぼう)として海に対するような感があるから...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...」二人共又おしだまって向うの向うの寒い茫々とした海を見た...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...ある知りあいの農家のところまで茫々(ぼうぼう)とした野らを歩いていた...
原民喜 「美しき死の岸に」
...こんなに茫々として気が抜けたものになっているのは...
原民喜 「鎮魂歌」
...茫々と時が経っていった...
久生十蘭 「海難記」
...茫々たる春夜を守りつづけてゐた...
室生犀星 「鉄の死」
...埃(ほこり)まみれの髪を茫々にしたままで...
山本周五郎 「柳橋物語」
...茫々乎(こ)として万事...
夢野久作 「白くれない」
...茫々(ぼうぼう)十七年...
吉川英治 「茶漬三略」
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