例文・使い方一覧でみる「茫」の意味


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...然と家々の空を見上げた...   茫然と家々の空を見上げたの読み方
芥川龍之介 「あばばばば」

...あの然とした験者(げんざ)や術師たちの姿と一しょに...   あの茫然とした験者や術師たちの姿と一しょにの読み方
芥川龍之介 「邪宗門」

...上野まで(ぼ)んやりして参りました...   上野まで茫んやりして参りましたの読み方
犬養健 「姉弟と新聞配達」

...蒼(そうぼう)とくれゆく海面に黒煙をうしろにながくひきながら...   蒼茫とくれゆく海面に黒煙をうしろにながくひきながらの読み方
海野十三 「火薬船」

...四面蒼として、往きかふ舟も無し...   四面蒼茫として、往きかふ舟も無しの読み方
大町桂月 「月の隅田川」

...越雪の真景に於て然たり...   越雪の真景に於て茫然たりの読み方
京山人百樹、京水百鶴 「北越雪譜」

...私は自ら然としているうちに...   私は自ら茫然としているうちにの読み方
豊島与志雄 「或る男の手記」

...とした盲いた明るみになった途端...   茫とした盲いた明るみになった途端の読み方
豊島与志雄 「小説中の女」

...明暗定かでない空間の下に、とした地面が、大地があります...   明暗定かでない空間の下に、茫とした地面が、大地がありますの読み方
豊島与志雄 「碑文」

...マリユスは然(ぼうぜん)として彼をながめた...   マリユスは茫然として彼をながめたの読み方
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」

...「ああ」然(ぼうぜん)として米友は見廻す...   「ああ」茫然として米友は見廻すの読み方
中里介山 「大菩薩峠」

...然らざれば々たる芒である...   然らざれば茫々たる芒であるの読み方
長塚節 「佐渡が島」

...起き上がつてこの(ばう)とした子分の顏を面白さうに眺めるのです...   起き上がつてこの茫とした子分の顏を面白さうに眺めるのですの読み方
野村胡堂 「錢形平次捕物控」

...海の真中へ乗りだしてしまったような然とした気持ちで...   海の真中へ乗りだしてしまったような茫然とした気持ちでの読み方
林芙美子 「泣虫小僧」

...ひどい熱のため彼の病室はと蒸れてゐた...   ひどい熱のため彼の病室は茫と蒸れてゐたの読み方
原民喜 「虹」

...顔ばかりが(ぼん)やりと客の椅子の上に見えるばかりであった...   顔ばかりが茫やりと客の椅子の上に見えるばかりであったの読み方
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」

...「おしのさん、どうするんです」彼は歩きながら、然と呟いた、「貴女はどこへいったんです、これからどうしようというんですか、いったいなにをするつもりなんですか、おしのさん」二「貴女と初めて逢ったのは正月の二十日ですよ、覚えていますかおりうさん」「覚えていますとも」おりうと呼ばれた女は、男をながし眼に見ながら、舌がだるいとでもいうような、あまえた口ぶりで云った、「――だってあたしのほうで呼んだんですもの、そうでしょ」「それから五月まで月に一度か二度、夏のうちは音沙汰なしで今月はもう十月、もうすぐ一年になるんですよ」「また年を一つとるのね、いやだこと」「おりうさん」「飲んでちょうだい」と女は云った、「月なんか数えるから年のことを思いだしちゃったじゃないの、いやなお師匠さん」「ふしぎだ」と男が云った、「その声のまわしようと、左の肩をおとして躯をかしげるしなは、そっくり沢田屋の得意の型だ」「またあんなことを」「そらその眼つき、――お嬢さん、貴女はきっと沢田屋とわけがおありですね」男は盃(さかずき)を置いて云った、「いいや、ただのひいきじゃあない、舞台を見ているだけで、あの東蔵の声まわしや身振りが、そんなにぴったり写るものじゃあない、私も岸沢蝶太夫(ちょうだゆう)です、そのくらいのことは見当がつきますよ」「そんなふうにからむんなら、あたし帰るわ」「図星というわけですか」「いいこと」女は坐り直した、自分では無意識かもしれないが、坐り直すと却(かえ)って、躯の線のやわらかさと、嬌(なまめ)かしさとが際立つようにみえた、「いいこと、お師匠さん」と女はあまえた口ぶりで云った、「あたしは芝居は好きだし、見ることはむろん見るわ、沢田屋の舞台だって見ているけれど、役者衆とは誰に限らず、これまでいちども逢ったことなんかありゃあしなくってよ」「それはお師匠さんとこんなふうに逢っているんだから」と女は続けた、「どんな浮気者と云われてもしかたがないでしょう、でもお師匠さんにそんな女だと思われるなんて辛いことよ」「それが本当なら」と男が云った、「どうしていつまでこんなふうに、蛇のなま殺しのようなめにあわせるんですか」「お師匠さんにはあたしの気持がわからないのね」「おりうさん」と男は手を伸ばした...   「おしのさん、どうするんです」彼は歩きながら、茫然と呟いた、「貴女はどこへいったんです、これからどうしようというんですか、いったいなにをするつもりなんですか、おしのさん」二「貴女と初めて逢ったのは正月の二十日ですよ、覚えていますかおりうさん」「覚えていますとも」おりうと呼ばれた女は、男をながし眼に見ながら、舌がだるいとでもいうような、あまえた口ぶりで云った、「――だってあたしのほうで呼んだんですもの、そうでしょ」「それから五月まで月に一度か二度、夏のうちは音沙汰なしで今月はもう十月、もうすぐ一年になるんですよ」「また年を一つとるのね、いやだこと」「おりうさん」「飲んでちょうだい」と女は云った、「月なんか数えるから年のことを思いだしちゃったじゃないの、いやなお師匠さん」「ふしぎだ」と男が云った、「その声のまわしようと、左の肩をおとして躯をかしげるしなは、そっくり沢田屋の得意の型だ」「またあんなことを」「そらその眼つき、――お嬢さん、貴女はきっと沢田屋とわけがおありですね」男は盃を置いて云った、「いいや、ただのひいきじゃあない、舞台を見ているだけで、あの東蔵の声まわしや身振りが、そんなにぴったり写るものじゃあない、私も岸沢蝶太夫です、そのくらいのことは見当がつきますよ」「そんなふうにからむんなら、あたし帰るわ」「図星というわけですか」「いいこと」女は坐り直した、自分では無意識かもしれないが、坐り直すと却って、躯の線のやわらかさと、嬌かしさとが際立つようにみえた、「いいこと、お師匠さん」と女はあまえた口ぶりで云った、「あたしは芝居は好きだし、見ることはむろん見るわ、沢田屋の舞台だって見ているけれど、役者衆とは誰に限らず、これまでいちども逢ったことなんかありゃあしなくってよ」「それはお師匠さんとこんなふうに逢っているんだから」と女は続けた、「どんな浮気者と云われてもしかたがないでしょう、でもお師匠さんにそんな女だと思われるなんて辛いことよ」「それが本当なら」と男が云った、「どうしていつまでこんなふうに、蛇のなま殺しのようなめにあわせるんですか」「お師匠さんにはあたしの気持がわからないのね」「おりうさん」と男は手を伸ばしたの読み方
山本周五郎 「五瓣の椿」

...「いたずらに(ぼう)としてはおられない!」有村は形相(ぎょうそう)をかえて庭へ下りた...   「いたずらに茫としてはおられない!」有村は形相をかえて庭へ下りたの読み方
吉川英治 「鳴門秘帖」

「茫」の読みかた

「茫」の書き方・書き順

いろんなフォントで「茫」

「茫」の英語の意味

「茫なんとか」といえば?   「なんとか茫」の一覧  


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