...暫くは茫然としていた...
海野十三 「深夜の市長」
...気が茫(ぼう)としてるそういうおりに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それらの広茫たる景色を眺めていますと...
豊島与志雄 「食慾」
...渡したあとでは却つて茫然として自失した...
夏目漱石 「それから」
...今まで野原同然に茫々(ぼうぼう)としていた往来(おうらい)が...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...何者も眼の前に見えない茫漠たる景色に接した私と倉田君とは...
濱田耕作 「埃及雜記」
...向側の広い道路は茫としてゐる...
原民喜 「火の子供」
...総督や役員の乗った舟艇がつぎつぎに艦側を離れるのを茫然とながめていた...
久生十蘭 「海難記」
...ゲランは溜り水に手を浸して茫然としている妻の姿を眺めていたが...
久生十蘭 「海難記」
...茫然(ぼうぜん)自失している彼等の前に...
本庄陸男 「石狩川」
...茫々たる土手は長く茶褐色につらなつて...
室生犀星 「星より來れる者」
...それさえあるに、途中の木の枝にからまっている月江の帯を、茫然、自失のていで、ぼんやりと見つめている彼のうしろから、「久米之丞! こッちを向け」と、人をばかにした人間の声がしました...
吉川英治 「江戸三国志」
...茫然(ぼうぜん)と立っていた...
吉川英治 「剣の四君子」
...福原をあわせて何千石という広茫(こうぼう)な青田をわたって来るすず風が...
吉川英治 「親鸞」
...「……ああ」と、やがて彼は、胆(きも)を天外にとばしたように、茫然と、また恍惚たる面(おも)もちで立ちすくんだ...
吉川英治 「平の将門」
...「じゃアあの時……ウーム……」と呻(うめ)いたまま、孫兵衛も茫然...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...だが、二人とも、変ったなあ』『お師匠様こそ』三名は、お互いに、茫然として、何から話そうという事も、俄(にわか)に思い出せなかった...
吉川英治 「山浦清麿」
...茫然とするような時間の深淵にまつわり現代の神智論者の教えの一部を成しているヒンドゥーの物語との間に重要な関連を持っていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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