...思わず茫然と立ちすくんだ...
芥川龍之介 「女体」
...茫然と老人の顔を見つめた...
芥川龍之介 「不思議な島」
...しばらくはただ茫然と三人の顔ばかり眺めていました...
芥川龍之介 「妖婆」
...熟(じっ)と人形を凝視(みつめ)つつ三人(みたり)は少時(しばらく)茫然たり...
泉鏡花 「活人形」
...痛む右脚を少し浮かせて三藏の見る庭面を只茫然と見てゐる...
高濱虚子 「俳諧師」
...」前後左右どちらを見ても、ただ杳々茫々、脚下を覗いてもやはり際限なく薄みどり色のほの明るさが續いてゐるばかりで、上を仰いでも、これまた蒼穹に非ざる洸洋たる大洞、ふたりの話聲の他には、物音一つ無く、春風に似て春風よりも少しねばつこいやうな風が浦島の耳朶をくすぐつてゐるだけである...
太宰治 「お伽草紙」
...あまりの不思議さに茫然たるほかはないのです...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...しかもその新聞に現れている微笑んだ令嬢エミーラの美しさ豊麗さ!私は茫然として...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...テナルディエは茫然(ぼうぜん)とした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...茫漠とした世の中への望みが...
直木三十五 「南国太平記」
...茫洋(ぼうよう)として意味深く展開されているのである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...茫乎(ぼうこ)としてこれを求(もとむ)るに難(かた)きものあるべし...
福沢諭吉 「旧藩情」
...人々は茫然として空を仰いでケラケラと笑っていたもっと深く傷ついた人たちは泣きも笑いもせず自分の眼の前をジッと見ていた次ぎの日から私は寝こんでしまったいっしょに住んでいた先輩の女優はズッと以前にはげしくなった空襲に耐えきれず遠い田舎に疎開していて...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...虱だらけの茫々頭はいつも荒地にいる...
山本周五郎 「お繁」
...私はただ茫然と、それを見恍(みと)れているきりである...
夢野久作 「路傍の木乃伊」
...途端に、新九郎は茫然と、辻堂の床へ五体をくずしてしまう...
吉川英治 「剣難女難」
...金は茫然としていた...
吉川英治 「三国志」
...渺茫(びょうぼう)千七百年...
吉川英治 「三国志」
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