...山畑(やまはた)に蒔(ま)いた茜草(あかねぐさ)を舂(つ)いて染料の木の汁で染めた衣服を十分に身につけて...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...重く河原の面(おもて)を立ちこめていた茜色を帯びた白い川霧がだんだん中空をさして昇(のぼ)ってくる朝陽の光に消散して...
近松秋江 「黒髪」
...キャラコさんは返事のしようもなくておし黙っていると、茜さんは、唇のはしに皺(しわ)をよせてジロジロとキャラコさんを見おろしながら、だしぬけに、「キャラコなんて、ずいぶんトンチキな名ね...
久生十蘭 「キャラコさん」
...なぜでしょう」茜さんは...
久生十蘭 「キャラコさん」
...……嘘だったということは、今日はじめてわかりましたが、茜から、あなたが東京へ行かれたと聞くと、私は闇夜(やみよ)の中でとつぜん光明を失ったような気持になって、また決心がにぶり、茜にすすめられて、今日のような不埓(ふらち)なまねをいたしましたが、でも、もう大丈夫です...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ひどくてよ」茜さんは...
久生十蘭 「キャラコさん」
...生んでちょうだい」透きとおるように蒼白くなった茜さんの頬が...
久生十蘭 「キャラコさん」
...茜さんの手を握った...
久生十蘭 「キャラコさん」
...雲の裂目から茜色の夕陽が湖水の南の山々にさしかけた...
久生十蘭 「肌色の月」
...東雲のクラシカルな藍と茜の色どりと相俟って...
宮本百合子 「木蔭の椽」
......
三好達治 「短歌集 日まはり」
...茜木綿(あかねもめん)の襷(たすき)を掛けて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...西の方の空がぱッと茜色に明るかった...
横光利一 「旅愁」
...霽れ間に空に立のぼった夕茜のひとときの麗しさ...
横光利一 「旅愁」
...茜染(アカネゾメ)ノ下帯...
吉川英治 「剣の四君子」
...海上も夕茜(ゆうあかね)にうすずく頃となってから...
吉川英治 「私本太平記」
...お綱は茜色(あかねいろ)に変ってくる雲と山に明日(あした)を思い...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...茜色(あかねいろ)の淡靄(うすもや)が立って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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