...松永博士の推断通り興奮の鎮まった「歌姫」は西の空が茜色(あかねいろ)に燃えはじめると...
大阪圭吉 「三狂人」
...茜さんは、いら立たしそうに眉をひそめながら、「なんでもいいから、兄から手をひいてちょうだい...
久生十蘭 「キャラコさん」
...(茜さんが、なにか大変なことになりかけている……)ここにいるひとたちが、みな幸福(しあわせ)そうな顔をしているのに、茜さんだけが、ひとりでなにか苦痛に喘(あえ)いでいる...
久生十蘭 「キャラコさん」
...茜さんが寒々と寝ていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...茜さんの顔に、サッと血の色が差し、すぐまた真っ蒼になった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...お産婆さんに電話掛けて来るわ」茜さんの手が...
久生十蘭 「キャラコさん」
...あのスオウで染めた木綿布をその時分はスオウとはいわずに茜染といって居った...
牧野富太郎 「植物記」
...『説文』に拠ると今から千八百余年前の支那人は茜草を人血の所化(なるところ)と信じた...
南方熊楠 「十二支考」
...若葉のかげによく熟れた美しい茜と紅とを交ぜたこの果実が...
室生犀星 「幼年時代」
...子供のころ見なれた山の端の茜雲や...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...遠山の角には茜(あかね)の幕がわたり...
山田美妙 「武蔵野」
...茜木綿の切をかけて頭に載せ...
山本笑月 「明治世相百話」
...山頂の茜ほのかに染まった雪の高さを眼で追いつつロザンヌに来る...
横光利一 「欧洲紀行」
...小姓(こしょう)とんぼは万千代のあとからあとから――三いつか茜(あかね)いろの曠野(こうや)は...
吉川英治 「神州天馬侠」
...茜色(あかねいろ)を映(うつ)し...
吉川英治 「新書太閤記」
...秀吉の顔にも茜(あかね)が染められた...
吉川英治 「新書太閤記」
...赤裸(セキラ)ニ茜染(アカネゾメ)ノ下帯...
吉川英治 「宮本武蔵」
...×やがて蒼空が茜(あかね)のためになんとなく紫がかって来...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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