...ふと気が付くと葉子はしゃがんだまま一茎の名もない草をたった一本摘みとって...
有島武郎 「或る女」
...早春風やはらいで嫩芽(どんが)地上に萌ゆるより、晩冬の寒雪に草根の害(そこな)はれむを憂ふるまで、旦暮(たんぼ)三百六十日、生計の為めにすなる勤行(ごんぎやう)は、やがて彼が心をして何日しか自然の心に近かしめ、凭(よ)らしめ、親しましめ、相抱かしめ、一茎の草花、一片の新葉に対するも、猶(なほ)彼が其子女に対するが如き懸念と熱心と愛情とを起すに至らしめたるにはあらざるか...
石川啄木 「閑天地」
...南無一茎草如来である...
種田山頭火 「道〔扉の言葉〕」
...また別の茎を取って点検してみると...
寺田寅彦 「沓掛より」
...一茎の鈴蘭(すずらん)をつけた小女工らが少しいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...戯詠二淡婆姑一所管多植此民間多種是耶非 穀外常偸田土肥 所レ見眼前含レ露秀 安知身後作レ煙飛 余レ茎長植吟翁杖 編レ葉時懸羽客衣 租税頗憑二婆子力一休レ言此物不レ充レ饑戯詠と称しながら...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...傾斜の豆類はたくましい茎の上に幾枚かのほん葉を...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...茎立(くきたち)をくく立...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...まるで玉蜀黍(とうもろこし)の茎(くき)のようにやせた百五六十歳の老人が...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...この種は中国の山野に生じていて茎は直立し...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...この葉柄はかく地下茎の節より出ずるものだが...
牧野富太郎 「植物記」
...茎は緑色で枝を分ち花は小さくて多数総状花穂に着き白色の十字花で花中に四長二短の大雄蕊を有する...
牧野富太郎 「植物記」
...地下茎(ちかけい)に塊根(かいこん)のできる何首烏(かしゅう)すなわちツルドクダミも...
牧野富太郎 「植物知識」
...その茎を指でおさえても...
松永延造 「職工と微笑」
...子供たちのするように青い柔かい茎を噛(か)んでも見た...
水上滝太郎 「山の手の子」
...茎立の菜には限らず...
柳田國男 「食料名彙」
...あるいはタコというのも元はこの草の茎を水に浸(つ)けて...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...匂いの強いセロリの茎をぽきりと折って...
横光利一 「旅愁」
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