...薄茅原(すすきかやはら)...
泉鏡花 「薄紅梅」
...柳亭種彦のその文章を、そっと包むように巻戻しながら、指を添え、表紙を開くと、薄、茅原、花野を照らす月ながら、さっと、むら雨に濡色の、二人が水の滴(た)りそうな、光氏(みつうじ)と、黄昏(たそがれ)と、玉なす桔梗(ききょう)、黒髪の女郎花(おみなえし)の、簾(みす)で抱合う、道行(みちゆき)姿の極彩色...
泉鏡花 「薄紅梅」
...歌俳諧や絵につかう花野茅原とは品変って...
泉鏡花 「薄紅梅」
...麓つづきの茅原(ちばら)に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...『みちのくの眞野の茅原遠けどもおもかげにして見ゆとふものを』から題を取つたもの...
土井晩翠 「新詩發生時代の思ひ出」
...訝しみて人にとへば山に入りけむといへば春日野の茅原を暑み森深くこもりにけらし鹿のみえこぬ春日山しげきがもとを涼しみと鹿の臥すらむ行きてかも見む嫩草山にのぼるに萩のやうなるものゝおびたゞしくおひたるが...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...こうして通う一人は津の国の茅原(かやはら)という男だった...
室生犀星 「姫たちばな」
...」基経は何時かは茅原(かやはら)と猟夫(さつお)が太刀(たち)を合わすようなことになりはしないかと...
室生犀星 「姫たちばな」
...津の茅原(かやはら)も...
室生犀星 「姫たちばな」
...津の茅原(かやはら)ははじめて和泉の猟夫(さつお)に向って...
室生犀星 「姫たちばな」
...」津の茅原は烈しい眼附で弓を手元に引きよせた...
室生犀星 「姫たちばな」
...津の茅原はそのとき胸板(むないた)のところに...
室生犀星 「姫たちばな」
...津の国の茅原(かやはら)は半身を川の方に乗り出したまま深く胸を射透(いとお)されて...
室生犀星 「姫たちばな」
...津の茅原(かやはら)の父親と...
室生犀星 「姫たちばな」
...おぬしごとき父を持った息子殿と射(う)ち合った茅原(かやはら)も...
室生犀星 「姫たちばな」
...桑畑や茅原(かやはら)を吹きわたってくる風は...
山本周五郎 「新潮記」
...鼬(いたち)のように一直線に門前の茅原の暗(やみ)に消え込んだ...
夢野久作 「女坑主」
...原始人の踏んだままにひとしかった茅原(かやはら)や青い沼水が...
吉川英治 「親鸞」
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