...枯莖に殘つた澁い紫の小さな茄子が...
泉鏡花 「遺稿」
...茄子をもぎつつあるその横顔を見て...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...自分では信長所持の茶入小茄子(こなす)を拝領しようと望んでゐましたのに...
薄田泣菫 「小壺狩」
...栖鳳氏は側(そば)に拡げた紙本(しぼん)に一箇(つ)百円もしさうな唐茄子(たうなす)を描(か)きかけてゐたが...
薄田泣菫 「茶話」
...さしみと豆腐汁と煮豆と茄子漬...
種田山頭火 「行乞記」
...大事に育てる茄子の一本が枯れた...
種田山頭火 「其中日記」
...茄子(なす)の与市漬(よいちづけ)などで...
徳田秋声 「縮図」
...銀子に茄子(なす)を刻んだ翡翠(ひすい)の時計の下げ物を貸してくれたのだったが...
徳田秋声 「縮図」
...茄子と瓜の味噌漬...
豊島与志雄 「塩花」
...世にいふ唐茄子や南瓜の形ができあがる...
中勘助 「銀の匙」
...またおかみさんのさとの味噌漬が三年めとかでよく漬いてるからといって茄子と大根の唾のでそうな色に漬いたのをくれた...
中勘助 「島守」
...珍しい事に茄で玉子が薄く切って入れてあった...
林芙美子 「泣虫小僧」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...茄子(なす)もないの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...茄子なんぞはフライになるし...
村井弦斎 「食道楽」
...また大根を並べて茄子を並べて一番上を大根にして糠と塩を振って漬け込みます...
村井弦斎 「食道楽」
...茄子(なす)をこまごまと刻んで水と米とにまじえたものを...
柳田国男 「こども風土記」
...肉も血も骨までも茄子(なすび)の色を持つて居相(さう)に想はれる...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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