...生きて世に人の年忌や初茄子(はつなすび)几董自分は大病をしてほとんど死ぬところであった...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...派手な茄子紺(なすこん)の両前の背広を着て...
谷崎潤一郎 「細雪」
...アンポンタン(いが茄子の方語)を飲んだゝめだつた...
種田山頭火 「行乞記」
...・糸瓜やうやく花つけてくれた朝ぐもりをのれにひそむや藪蚊にくんだりあはれんだりして・蝉時雨もう枯れる草がある・昼しづかな焼茄子も焼けたにほひ・けふまでは生きてきたへそをなでつつ・はひまはつた虫は見つけた穴にはいつた・へちまよ空へのぼらうとする七月廿四日ようねむれた...
種田山頭火 「行乞記」
...秋茄子三本、秋胡瓜三本を植ゑる、この価五銭、あんまり安すぎる...
種田山頭火 「其中日記」
...夏は茄子(なすび)や胡瓜(きゅうり)がそこら一面にできる...
田山花袋 「田舎教師」
...茄子(なす)や胡瓜(きうり)に水をやつてゐる男が...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...一と嘗(な)めほどのお菜に茄子(なす)の漬物などで...
徳田秋声 「挿話」
...もちろん私はお勝手口の方へその小さい菜園の茄子や胡瓜にこんにゃく桶をぶっつけぬように注意しながらいったのであるが...
徳永直 「こんにゃく売り」
...*気違茄子の、或る地方に産するものの実をたべると、屋根といわず木の梢といわずに、やたらに高いところに登りたくなって、効果が消えるまでは下りて来ない...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...これだけならばを赤茄子で説明したり...
夏目漱石 「創作家の態度」
...此ぼけ茄子野郎! 人間の足が...
葉山嘉樹 「浚渫船」
...あのときくらゐ僕は茄子の味噌汁といふものをうまいと思つたことはありません...
堀辰雄 「二人の友」
...○赤茄子スープは夏ならば生の物...
村井弦斎 「食道楽」
...茄子は一本立ちだから木と云ってもいいだろう...
山本周五郎 「へちまの木」
...「この大嘘つき」「ろくでなし」「恥知らずのぺてん師」「おっちょこちょい」「唐茄子(とうなす)野郎」など...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...茄子、南瓜の圖などらしい...
吉川英治 「折々の記」
...野育ちの芋(いも)の子や茄子(なす)みたいなのが多いのは...
吉川英治 「新書太閤記」
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