...一月に生れ、二月に柔ぎ、三月に芽ぐみ、四月に(〔一字欠字〕)び、五月に茂る...
石川三四郎 「百姓日記」
...*けふは照日(てるひ)の映々(はえばえ)と青葉(あをば)高麥(たかむぎ)生ひ茂る大野(おほの)が上に空高く靡(な)びかひ浮ぶ旗雲(はたぐも)よ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...こと新しくおい茂るのだ...
海野十三 「断層顔」
......
種田山頭火 「其中日記」
...前は青々と茂る草のむかうに残雪の八ヶ岳蓼科の連峰...
種田山頭火 「旅日記」
...汚れた手をみそはぎの茂る小川で洗った...
田山花袋 「田舎教師」
...春過ぎて若葉の茂るのも...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...アカシヤの茂る大道の並木...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...伸び茂るもの、立ち枯れるもの、他物に絡みつくもの、みな自然にそうなっていた...
豊島与志雄 「山吹の花」
...畠は熊笹(くまざさ)茂る垣根際(ぎわ)まで一面の烈(はげ)しい日の光に照らされ...
永井荷風 「監獄署の裏」
...冬も茂る熊笹(くまささ)の蔭(かげ)にありあり見えすいて居る...
永井荷風 「狐」
...生茂る竹むらを其儘の垣にした閑雅な門構の家がつゞき出す...
永井荷風 「里の今昔」
...すすきの茂る小野の榛原(はいばら)...
中里介山 「大菩薩峠」
...余は茂る葉を見ようと思い...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...瀑布の轟きや絶え間なき水しぶきの中に生い茂る絵のような樹木や常春藤(きづた)もなく...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...この庭を一面に掩(おお)うて草木が生い茂るがままに生い茂っているのであった...
堀辰雄 「美しい村」
...庭に茂る樹々の緑がいま描きあげた絵のように...
山本周五郎 「落ち梅記」
...あとにはただ叢林が茂るに違いない...
山本周五郎 「風流太平記」
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