...何の苦もないありさまに振舞(ふるも)うている...
伊藤左千夫 「去年」
...先には苦もないようなことをいっておったが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...お客のために用意してあるびんの中に毒を入れるのは何の苦もないということでした...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...山道を通ることも七兵衛には何の苦もない...
中里介山 「大菩薩峠」
...一夜に五十里を飛ぶにはなんの苦もない足を持っていて...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分一身が遁(のが)れるだけは何の苦もないことだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その上一人や二人の身過ぎ世過ぎは何の苦もないと...
中里介山 「大菩薩峠」
...故人は前にもいつた樣に恐ろしい功名心の強い人なのだから其呼吸を呑込んで居れば籠絡するのに何の苦もない...
長塚節 「記憶のまゝ」
...それが判然すれば何の苦もない...
夏目漱石 「虞美人草」
...Mは苦もない調子で...
南部修太郎 「S中尉の話」
...なんの苦もないようすで...
久生十蘭 「あなたも私も」
...柚太にとつては狐塚までの径は全く苦もないところを...
牧野信一 「剥製」
...私はこれらの人たちのなんの苦もないようなお顔を拝見すると思わずハハハハハハと笑いたくなる...
牧野富太郎 「カキツバタ一家言」
...これだって何の苦もない...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...その一命をとるに何の苦もない――彼の手もとと彼の眼にぎくとしたからである...
吉川英治 「新書太閤記」
...渡ってみれば苦もないのじゃ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...孫兵衛の手になんの苦もないことだろうが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...しかし旅宿(やど)はすぐ斜向(すじむか)いなので何の苦もない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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