...彼は自分の態度に悲哀の Pose が交つて來たことを意識して苦々しいと思つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...とにかくこうなるとせっかくの最初の空想も雲消霧散して残るものは世智辛(せちがら)い苦々しい現実である...
寺田寅彦 「雑記帳より(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...しかも苦々しい凡庸(ぼんよう)な卑賤(ひせん)なものまでも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いかに多くの隠れたる悲哀や苦々しい嫌悪(けんお)があることぞ!……ただ進め...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...苦々しいこころで...
中井正一 「図書館法を地方の万人の手に」
...その名刀を見たいという熱望は決して苦々しいものではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...苦々しい幻像を現わすこともあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな剣呑(けんのん)な思いまでして借りる必要もあるまいからね」健三は苦々しいうちにも滑稽(こっけい)を感じた...
夏目漱石 「道草」
...とうとう嗅(か)ぎ出したのかい」三輪の万七は苦々しいながらも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...敷居が摺(す)れ滅つたせゐでせう」伊之助は苦々しい顏で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甘く見すぎたという苦々しい後悔の色が浮かんでいた...
久生十蘭 「地底獣国」
...ここを」(と外套の襞(ひだ)のところを苦々しい微笑を浮べて眺(なが)めながら)「捜すのは余計なことだろうと思う...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...どす黒い苦々しい疑惑が浮かんでいた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...あまりに苦々しい態度だと譏(そし)る女たちもあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...嬢次様のお許可(ゆるし)を受けませねば……」ストーン氏は苦々しい顔をした...
夢野久作 「暗黒公使」
...苦々しい奴だと思っている筆者を皆して引っぱって...
夢野久作 「ビール会社征伐」
...勝家は苦々しい容子である...
吉川英治 「新書太閤記」
...苦々しい顔をしたが...
吉川英治 「親鸞」
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