...この若菜貞爾にひきたてられて...
淡島寒月 「明治十年前後」
...大伴(おほとも)の若菜姫なんといふのが殊の外贔屓(ひいき)なんです...
泉鏡花 「いろ扱ひ」
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伊良子清白 「孔雀船」
...泣く/\屍をいだきて家にかへり、床に安して、さて、しめやかに青き燈の下に、勉めてふたゝび机に就けば、稿本は開きて故の如し、見れば、源氏の物語、若菜の卷、「さりとも、琴ばかりは彈き取り給ひつらむ、云云、晝はいと人しげく、なほ、ひとたびもゆしあんずるいとまも、心あわたゞしければ、夜々なむしづかに、」云云、「ゆ」は「搖ること」なり、「あんずる」は「按ずる」にて、「左手にて絃を搖り押す」なり、又、紅葉の賀の卷、「箏の琴は、云云、いとうつくしう彈き給ふ、ちひさき御程に、さしやりてゆし給ふ御手つき、いとうつくしければ、」おのれが思ひなしにや、讀むにえたへで机おしやりぬ、この夜一夜、おのれが胸は、ゆしあんぜられて夢を結ばず...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...餞二乙州(おとくに)東武行一梅若菜まりこの宿(しゅく)のとろゝ汁(じる)芭蕉かさあたらしき春の曙(あけぼの)乙州これは人を訪問した場合とは違うが...
高浜虚子 「俳句への道」
...その梅や若菜の時分に東海道を旅して鞠子(まりこ)の宿について...
高浜虚子 「俳句への道」
...五 大正文学へ藤村の『若菜集』から...
田山録弥 「明治文学の概観」
...――長島若菜のは沢山(たくさん)あるだろうがなるべく笑ってるのが良(い)いな...
野村胡堂 「音波の殺人」
...岡崎と鳥子の言い分代官山の若菜の家には...
野村胡堂 「音波の殺人」
...「だから俺は新聞記者を止そうと言ったのさ、博士が犯人だという事が判ると、何んでも彼(か)んでも白状させて、新聞の特種にのせ度かったんだ、――博士は生きて居る気は無かったかも知れないが、死期を早めたのは確かに俺のせいだよ、それに殺人音波は嘘だが、あの大管弦楽団の代用する機械は素晴らしいものだったに相違ない、それを灰にしてしまったのは惜しいことだ」「――――」「今から考えて見ると、博士よりも悪いのは、若菜と、若菜をめぐる不良共さ」「――――」千種十次郎の打ち萎(しお)れた顔を見ると、早坂勇もツイ考え込んでしまいました...
野村胡堂 「音波の殺人」
...六樹園が若菜屋へ着いた時は宴はもう酣(たけなわ)であった...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...それよりも「若菜」上下を推賞せられて居りました...
堀辰雄 「若菜の卷など」
...朝風に若菜売る児の声すなり朱雀(すざく)の柳(やなぎ)眉(まゆ)いそぐらむこの歌は十首中にては第一と存候...
正岡子規 「人々に答ふ」
...あるいは若菜売る児に対して...
正岡子規 「人々に答ふ」
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三好達治 「短歌集 日まはり」
...左大将の夫人から若菜(わかな)の賀をささげたいという申し出があった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...沈(じん)の木の四つの折敷(おしき)に若菜を形式的にだけ少し盛って出した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ほかに上野国(こうずけのくに)で獲た若菜という女性を誌す地方史もあるが...
吉川英治 「随筆 新平家」
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