...その新蔵(しんぞう)と云う若主人が(ほかに差障りがあるといけませんから...
芥川龍之介 「妖婆」
...一軒置いて隣りの小間物屋では書物類もわづか賣つてゐて、ある日私は、そこで婦人雜誌の口繪などを見てゐたが、そのうちの一枚で黄色い人魚の水彩畫が欲しくてならず、盜まうと考へて靜かに雜誌から切り離してゐたら、そこの若主人に、治(をさ)こ、治(をさ)こ、と見とがめられ、その雜誌を音高く店の疊に投げつけて家まで飛んではしつて來たことがあつたけれど、さういふやりそこなひもまた私をひどく眠らせなかつた...
太宰治 「思ひ出」
...「これは銭形の親分さん、御苦労様で――」平次を迎えたのは、若主人の専助、まだほんの二十二三の男ですが、気風も身体も聢(しっか)りした桔梗屋が娘の婿にと望んだだけに、何となく頼母(たのも)し気な青年でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「番頭か若主人でないと困るが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...若主人の祐吉が気が付いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ときどき若主人に無心を言っていたのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...下手人は若主人の祐吉――」「どうして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...尤(もつと)も若主人の莊太郎も承知の上だと言ひましたがね」「寶搜しはイヤだが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...續いて若主人の莊太郎...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...若主人の藤吉と弥惣の子の弥三郎との間に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御苦勞樣で――」若主人の藤吉は役所から歸つたばかりの顏を出します...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...煙草入は若主人を怨む者が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お才さんは賢い人ですから若主人もすっかり感心しております」「浮気と許嫁とは別なわけか」「…………」八五郎は何か唾(つば)でも吐きたいような気になりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お梅さんと若主人は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...誰がお勝手に入るかわかるか」「居ない時入るのはわかりやしません」斯う言つた調子です「大主人や若主人を怨(うら)んでゐる者がある筈だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...先代の女房お倉――若主人の重太郎には継母(けいぼ)に当るこの女が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの娘(こ)がねエ」「この間まで佐久間町の丸屋の若主人と何んとか言はれて居ましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なかなか良う調べが届いとる」「その骨折りの甲斐があってか、去年の十二月に御城下でも蔵元屋に次ぐ金満家、福岡本町の呉服屋、襟半の若主人で、堅蔵(かたぞう)で悧発者という評判の半三郎という男の嫁にという話が纏まって、結納まで立派に済んどる...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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