...若しや此話から、自分と死んだ浩一との事が吉野に知れはしないかと思ふと、その吉野にも顔を見せたくなかつた...
石川啄木 「鳥影」
...若しや「あいつ」ではないかと...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...若しや不二子は、殺されているのではあるまいかという恐ろしい考えが、ふと頭をかすめたからだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...「若しや、あれは、賊が文代さんを殺して、巧に人形に見せかけたものではあるまいか」小林少年は、悪夢にうなされているような気がした...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...それを「若しや」と思うのは...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...若しや死骸の身代りが...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...若しや座敷の方へ行ったら信一に会えるか知らんと思い...
谷崎潤一郎 「少年」
...『若しやお前が‥‥‥』と...
南部修太郎 「疑惑」
...若しや早計と批難なさるかも知れません...
西尾正 「陳情書」
...「若しや、お小夜を怨んでゐる者でも無かつたか、そんな事を訊き度かつたんで」「踊り子も、あれ丈けの人氣者は、隨分人からも怨まれませう」「ところで、若旦那は劍術の方も大したものだ相で、お道具を拜見出來ませんか」「そんな事なら、――此方へ來て下さい、私のはまことにつまらない腕立てで」半次郎は自分の部屋へ案内しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...若しやといふ果敢(はか)ない期待が空(むな)しく持ち續けられて半年も經つと...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それが若しや時間を誤ることがあらうかなんぞと云ふことは...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...」「ほんとうに――若しや...
牧野信一 「バラルダ物語」
...若しや食ひつかれたら痛からう! と気づいたから...
牧野信一 「ブロンズまで」
...好天気ならば必ず通るに違ひない樽野の来かゝるのを窺つてゐるあの親父に若しやつかまつても...
牧野信一 「円卓子での話」
...どうなされて?」若しや...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...若しやのことでもあつて見ろな...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...新らしい卵を産んだと云うのに朗らかな歌も歌えない鳥類――若しや――人間に飼われ 飛ぶ空もなく卵はあとから盗まれるので彼那 不快な心になったのか?若しそうならば――……ああ...
宮本百合子 「五月の空」
便利!手書き漢字入力検索