...自分の健康が掘りだしたばかりの土塊のような苛辣(からつ)な北海道の気候に堪えないからとは言いたくなかったので...
有島武郎 「星座」
...修業のためには甘(あま)んじて苛辣(からつ)な鞭撻(べんたつ)を受けよう怒罵(どば)も打擲(ちょうちゃく)も辞する所にあらずという覚悟(かくご)の上で来たのであったがそれでも長く堪(た)え忍(しの)んだ者は少く大抵は辛抱(しんぼう)出来ずにしまった素人(しろうと)などはひと月と続かなかった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...年取った母親の苛辣(からつ)な目が...
徳田秋声 「あらくれ」
...彼は時々思ひのほか苛辣(からつ)な言葉を口へ出さなければならなかつた...
徳田秋声 「花が咲く」
...敗戦後の苛辣な世の中に...
豊島与志雄 「朝やけ」
...クリストフは古い書物から立ちのぼる苛辣(からつ)な息吹(いぶ)きに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...仕甲斐(しがい)のない職業のためにたいていは多少とも苛辣(からつ)になっていて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...倦怠(けんたい)の苛辣(からつ)な滓(かす)がたまっている……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いかに憐(あわ)れみの微笑でながめられることであろう! 力強い人生とその苛辣(からつ)な努力とについても...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...放縦苛辣(からつ)な古い性質をなおもっていた――(その後になると非常に変わってはきたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この溌溂(はつらつ)たる率直さの苛辣(からつ)な新鮮味を賞美した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その苛辣な味に心を刺されることが...
豊島与志雄 「反抗」
...苛辣(からつ)なる課税の筆頭は恋愛でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は剽軽(ひょうきん)でかつ苛辣(からつ)であった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...飛入りの三輪の万七の苛辣(からつ)な調べが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その智慧をつけたのはお道だらう」平次の言葉は苛辣(しんらつ)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...強引苛辣(からつ)な岡つ引...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...コーヒーとクリームは別々に持って来るんですよ」苛辣(からつ)な言葉に...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
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