...赤葉の芽ぐみ物燻(く)ゆる五月(さつき)の丘の柏(かしは)木立をたもとほり...
石川啄木 「詩」
...一つの小さい芽ぐみであつた...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...そこにしてまた新しき「日」は芽ぐみ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...そして芽ぐみつゝある枯草...
種田山頭火 「其中日記」
...病雁の夜寒に落ちて旅寝かな 芭蕉僅かの花が散りければ梅は総身に芽ぐみぬ 井泉水わが足跡人生ひてわれにつゞく朧 地橙孫陽の前に鳥ないて安らかな一日 鳳車これらの句を読んだ時...
種田山頭火 「俳句に於ける象徴的表現」
...その土(ど)を破りて芽ぐみ長じ花さき実るにいたるはただ時日の問題にして...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...種子の芽ぐみ卵の孵る温気にじっとりと汗ばんで...
豊島与志雄 「春の幻」
...天地自然の芽ぐみ……豊かだ……という気がした...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...芳草が青々と芽ぐみ...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...本郷の妻恋坂の雨やどりで芽ぐみ...
中里介山 「大菩薩峠」
...岸の蘆が芽ぐみ始めると...
中島敦 「狐憑」
...妙な疑いが芽ぐみます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いま突然にあたたかいものに觸れて芽ぐみ出したやうなものであつた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...谷々は緑芽ぐみ、岡は高まりて、茂りて物蔭の沈黙(しじま)をなす...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...芽ぐみはじめた枝のなかに...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...春の草々が芽ぐみ出すと...
吉川英治 「新書太閤記」
...大地のものにも芽ぐみ始めた日和(ひより)のいい朝だった...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...路傍に芽ぐみ出した春の色はうららかだし...
吉川英治 「宮本武蔵」
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