...梧桐の芽を吹くは百日紅よりも早きやうなり...
芥川龍之介 「雑筆」
...彼に依(より)てのみ枯木(こぼく)も再び芽を出すべく...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...すべてキリスト教の大真理はヨブ記の中に発芽している...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...箇人の自由といふ観念の徐々(そろ/\)芽を出し始めた時代に於て...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...後のフィヒテ哲学たる「知識学」の萌芽をなすものである...
戸坂潤 「辞典」
...秋になると、茗荷の芽も出る...
外村繁 「澪標」
...野心の芽をもつ者で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...私はその日美しく芽ぐんで今にも葉をさすまでになりながら花もつけずに根をたえかかつた友情の若草がふたたび春の光にあつて甘やかに蘇るであらうことをねがつてたし...
中勘助 「銀の匙」
...おそらく女の自覚が芽生え...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...木の根や草の芽は鎧袖(がいしゅう)一触であった...
本庄陸男 「石狩川」
...ものゝ芽のほぐれほぐるゝ朝寝かな日常もの芽に親しんでをる...
松本たかし 「松本たかし句集」
...もう楊柳の芽がふくらんで来たそうです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...シホモノ春のうち野山から採つて來た蕨・蕗・いたどり・エニヨなどゝいふ類の若芽を...
柳田國男 「食料名彙」
...後に箸から芽を出して...
柳田國男 「日本の伝説」
...私の愉しみはここから何か少しずつ芽の出てくるのを感じ...
横光利一 「夜の靴」
...夏の女王おお、暑い夏、今年の夏、ほんとうに夏らしい夏、不足の言ひやうのない夏、太陽のむき出しな心臓の皷動(こどう)に調子を合せて、万物が一斉にうんと力(りき)み返り、肺一(いつ)ぱいの息を太くつきたらたらと汗を流し、芽と共に花を、花と共に香りを、愛と共に歌を、歌と共に踊りを、内から投げ出さずにゐられない夏、金色(こんじき)に光る夏、真紅(しんく)に炎上する夏、火の粉(こ)を振撒(ふりま)く夏、機関銃で掃射する夏、沸騰する焼酎(せうちう)の夏、乱舞する獅子頭(ししかしら)の夏、かう云(い)ふ夏のあるために万物は目を覚(さま)し、天地(てんち)初生(しよせい)の元気を復活し、救はれる、救はれる、沈滞と怠慢とから、安易と姑息(こそく)とから、小さな怨嗟(ゑんさ)から、見苦(みぐるし)い自己忘却から、サンチマンタルから、無用の論議から……おお、密雲の近づく中の霹靂(へきれき)の一音(いちおん)、それが振鈴(しんれい)だ、見よ、今、赫灼(かくしやく)たる夏の女王(ぢよわう)の登場...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...暗黒と頽廃(たいはい)と社会的混乱の続いた室町期の末にその萌芽(ほうが)を孕(はら)み...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...さまざまな芽に対しても...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
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