...其名(そのな)を称して正直と云(い)う」芹川進(せりかわすすむ)氏の曰く...
太宰治 「正義と微笑」
...芹川さんは、おいでになる度毎に何か新刊の雑誌やら、小説集やらを持って来られて、いろいろと私に小説の筋書や、また作家たちの噂話を聞かせて下さるのですが、どうも余り熱中しているので、可笑(おか)しいと思って居りましたところが、或る日とうとう芹川さんは、その熱中の原因らしいものを私に発見されてしまいました...
太宰治 「誰も知らぬ」
...二句・話しつかれてほつと千鳥が・笠もおちつかせて芹のうまさは・山の水をせきためて洗ふのがおしめ・いつも空家のこぼれ菜の花・すこし寒い雨がふるお彼岸まゐり・夜ふけの風がでてきてわたしをめぐる・触れて夜の花のつめたし・夜風その奥から迫りくるもの・こやしあたへるほそいあめとなり三月十九日すつかり春だ...
種田山頭火 「其中日記」
...この芹が恒吉の自慢で...
豊島与志雄 「崖下の池」
...ポンメルシー男爵夫人が八百屋(やおや)に二スーの芹(せり)を買いに行こうってわけだな...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...芹沢鴨(せりざわかも)...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼ももろともに叩き斬れ」隊長芹沢の気色(けしき)ははげしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...たしかに芹沢配下の井村に違いないと思われるから...
中里介山 「大菩薩峠」
...伊東はもと鈴木大蔵といって常陸(ひたち)の本堂の家来なのだ、水戸の金子健四郎に剣を学んでいる、芹沢と同様、無念流だ、江戸へ出て深川の北辰一刀流、伊東精一に就いて学んでいるうちに、師匠に見込まれて伊東の後をついだのだが、腕もあるし、頭もよい、学問も出来る、なかなか今の時勢に雌伏して町道場を守っていられる人間でない、髀肉(ひにく)の歎に堪えられずにいるところへ、近藤が京都から隊士を募集に来た...
中里介山 「大菩薩峠」
...芹沢の来るのを待っているのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...前には芹沢で立後(たちおく)れ...
中里介山 「大菩薩峠」
...すばらしいこと!……水芹(クレッソン)があって...
久生十蘭 「キャラコさん」
...菫はすなわち芹と通じ菫菜とも書き繖形科植物の一種の名で...
牧野富太郎 「植物記」
...芹摘(つ)みにと手を出したれば芹のあたりにゐたる泥鰌の捕へられんとや恐れけん...
正岡子規 「俳諧大要」
...搦手(からめて)は一歩先に西裏口(にしうらぐち)に来て、遠山、安立、芹沢、時田が東側に、斎藤と同心二人とが西側に並んで、真(ま)ん中(なか)に道を開(あ)け、逃げ出したら挟撃(はさみうち)にしようと待つてゐた...
森鴎外 「大塩平八郎」
...女衆は、嫁菜や芹つみに、ずくずくする畔道や堀の岸に集った...
矢田津世子 「凍雲」
...芹沢君は布装幀のほかに一カ年分を入れる帙(ちつ)をも作ってくれた...
柳宗悦 「四十年の回想」
...いつも御馳走になるで、きょうは肴(さかな)だけは持参しようと、芹摘(せりつ)みを始めたが、芹は少い、蓼(たで)ばかりじゃ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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