...植木鉢(うえきばち)をいじる人は花鋏(はなばさみ)の人よりもはるかに人情がある...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...栽縫箱には柄を赤く塗つた花鋏があつた...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...身も世もないほど力を落して帰ろうとするのを美しい人が呼びとめて「花をきってさしあげましょう」といいながら花鋏(はなばさみ)と手燭(てしょく)をもっておりてきた...
中勘助 「小品四つ」
...花鋏(はなばさみ)の音も箒(ほうき)の音もしない...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...悲しいことにわたしは花鋏(はなばさみ)よりほかに刃物を扱ったことがない女でございますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...一挺の花鋏(はなばさみ)を投げつけた旅人風体(りょじんてい)の男...
中里介山 「大菩薩峠」
...弦を切って投げつけた花鋏(はなばさみ)だけは受けとめたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...花鋏を投げつけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...花鋏を受け留めただけで...
中里介山 「大菩薩峠」
...憎い奴だ」小森は落ちた花鋏を拾い上げて...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...花鋏み手にして庭へ下りらるゝに...
一葉 「暗夜」
...厭々ながら花鋏を取つて...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...花鋏の如き古流(こりゅう)...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...縁側に花鋏(はなばさみ)があった...
山本周五郎 「山彦乙女」
...ちえ子さんのお母さんが花鋏を持ってお庭に降りておいでになりました...
夢野久作 「白椿」
...金物屋の中で花鋏や庖丁など包ませてゐる...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索