...花野を照らす月ながら...
泉鏡花 「薄紅梅」
...かの国の花野の丈(たけ)を...
泉鏡花 「海神別荘」
...二荒の山の裾野にあかねさす紫匂ふ花あやめかも櫻草の花によく似る紫の花めでつゝも名を知らずけり花あやめしみ咲きにほふ紫の花野を來れば物思もなし紫の雲ゐる野べに朝遊び夕遊びます二荒の神湯の滝を見...
伊藤左千夫 「滝見の旅」
...花野の路はしだかじな...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...我命つゞく限りの夜長(よなが)かな九月二十日 「玉藻五句集(第四十四回)」なつかしや花野に生(お)ふる一つ松九月二十日 大崎会...
高浜虚子 「五百五十句」
...蜜蜂が花野の中で...
寺田寅彦 「破片」
...もしそれ山花野艸(やそう)に至りてはこれに異なり...
中江兆民 「『東洋自由新聞』第一号社説」
...今日は許しませぬ」花野は躍起(やっき)になって...
中里介山 「大菩薩峠」
...あたりに展開する薬草の多いという花野もなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...周囲の襖(ふすま)は名ある絵師に描かせた花野原...
中里介山 「大菩薩峠」
...あたりは広い雪田と花野で眼ざましくいろどられ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...永山の峰々から当麻の花野を通じて変化に富む...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...月のなかなる花野(はなの)を惜気(おしげ)も無く織り込んだ綴(つづれ)の丸帯にある...
夏目漱石 「虞美人草」
...花野を、紅(あか)い緒(を)の塗笠(ぬりがさ)をかぶつて、狐葛の葉が飛んでゆく舞臺の振(ふ)りは、どんなに幼心をとらへたらう...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...それは千種(ちぐさ)の花野であり...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...けれどもここに出て来る女中の名が、「花野」とか、「月江」とか、「高萩」とかいうように、皆三字名だ...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...花野の中に一軒見えた茶店へ這入り...
横光利一 「旅愁」
...久しい戦陣の飢渇が花野の露にでも逢ったようで飽かない心地なのである...
吉川英治 「私本太平記」
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