...詩は花やかな対句(ついく)の中に...
芥川龍之介 「奇遇」
...そこへこれからお伴(とも)をしよう、連れて行って上げましょう、すぐに、」と云って勇(いさ)んだ声で、「お身体(からだ)の都合(つごう)は、」その花やかな、寂(さみ)しい姿をふと見つけた...
泉鏡花 「縁結び」
...二人は、覗いているぼくに気づくと、顔を見合せ、花やかに、笑いだしました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...ましてこういう晩にこういう場所にうずくまっていると人間のいとなみのあとかたもなく消えてしまう果敢(はか)なさをあわれみ過ぎ去った花やかな世をあこがれる心地(ここち)がつのるのである...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...映画の銀幕の上に活動する花やかに若やいだキュテーラの島の歓楽の夢や...
寺田寅彦 「映画と生理」
...花やかで面白いけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...ある花やかにしてふしぎなる情緒の幻像にあざむかれ...
萩原朔太郎 「青猫」
...痩せて蒼(あを)い姉娘の方は母親の煙水晶(ケヤアンゴーム)の眼を受け、花やかな、みづ/\しい妹娘は顎と頤(おとがひ)の輪廓を受けてゐた――多分幾分かは柔(やは)らか味はついてゐるが、それでもまだ顏付に何とも云はれぬ苛酷(かこく)なところが表はれてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...未だ見ぬ花やかな世界に憧れながら孤独の歌をうたひつゞけた...
牧野信一 「痴酔記」
...」と花やかに独りで点頭いてゐた...
牧野信一 「南風譜」
...事務所である丸木小屋で花やかな祭りを催すことにした...
牧野信一 「寄生木と縄梯子」
...或晩あまりに花やかな酒盛の揚句...
牧野信一 「山を降る一隊」
...今度は花やかな三味線の音締(ねじめ)が絶えず聞かれるようになった...
正岡容 「小説 圓朝」
...アツプ(美麗)と嬉しがらるるは必ず赤き花やかなる色に限りたるが如し...
正岡子規 「わが幼時の美感」
...花やかな、晴がましい、金笛(きんてき)の響のようであった...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...高価な宝石や家具などたくさんの富が花やかに運ばれてゆくのを見て...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...話が花やかでまた曲折が多いために...
柳田国男 「海上の道」
...花やかな味方一騎が...
吉川英治 「新・水滸伝」
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