...こう言う彼等の戯(たわむ)れはこの寂しい残暑の渚と不調和に感ずるほど花やかに見えた...
芥川龍之介 「海のほとり」
...詩は花やかな対句(ついく)の中に...
芥川龍之介 「奇遇」
...しかしその晩の夕飯は何時もより花やかな気がしました...
芥川龍之介 「雛」
...晴れ晴れした声も花やかな笑いもほとんどおとよに見られなくなった...
伊藤左千夫 「春の潮」
...花やかでどこか氣味が惡い豐富な興味と教訓に滿ちたこの變つた小説に先刻から夢中だ...
千家元麿 「自分は見た」
...同じ年頃の女房たちが五六人花やかに立ち出でゝおられる所へ通されたのです...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...そして誰も皆その花やかな生活を羨んだ...
田山録弥 「紅葉山人訪問記」
...私たちの生活がどんなにか花やかで面白いものだろうかと思っているの...
徳田秋声 「仮装人物」
...いかにも清らかに鮮やかに花やかに...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...家畜花やかな月が空にのぼつたげに大地のあかるいことは...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...(その九)秋は夕ぐれ夕日花やかにさして...
一葉 「暗夜」
...痩せて蒼(あを)い姉娘の方は母親の煙水晶(ケヤアンゴーム)の眼を受け、花やかな、みづ/\しい妹娘は顎と頤(おとがひ)の輪廓を受けてゐた――多分幾分かは柔(やは)らか味はついてゐるが、それでもまだ顏付に何とも云はれぬ苛酷(かこく)なところが表はれてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...玄妙なる隈どりを持つて花やかなる芸の空にいんいんと鳴りわたる様を...
牧野信一 「「尾花」を読みて」
...ひとり花やかな館を営む所以を不思議と思つたところが...
牧野信一 「水車小屋の日誌」
...太夫さんのような花やかな渡世をしていなさるお方にゃけえってめずらしいかもしれません...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その主張が花やかに栄えているときのことである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...花やかな灯(ひ)の映(さ)している障子を撫でまわして...
吉川英治 「宮本武蔵」
...彼方(あなた)の花やかな灯影(ほかげ)を見ていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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