...船から見た気仙沼町の花やかな灯火に驚き...
高村光太郎 「気仙沼」
...ましてこういう晩にこういう場所にうずくまっていると人間のいとなみのあとかたもなく消えてしまう果敢(はか)なさをあわれみ過ぎ去った花やかな世をあこがれる心地(ここち)がつのるのである...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...そして見物人たちのガヤガヤ云うのが、一向邪魔にならないのみか、いろいろの音、いろいろの色彩が、万華鏡(まんげきょう)を見るように、花やかに、眼もあやに入り乱れながら、渾然(こんぜん)とした調和を保っているのである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...なんの花やかなこともなく...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...この花やかにしゃちこばった気分がドイツ大学生特にいわゆるコアー学生の常住坐臥(じょうじゅうざが)を支配しているように思われるのであった...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...一人は花やかに、一人は静に、各その身の職分に応じて最後の処置を取つたのだ...
永井壮吉 「冬日の窓」
...あたりの光景の花やかな変り方に驚きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...花やかな色彩を認める事ができないものと諦(あき)らめて...
夏目漱石 「門」
...宝塚歌劇の初期の花やかな時代に上演された原田潤氏の数多くのオペレッタを...
野村胡堂 「胡堂百話」
...……さういふ王朝文學獨得の花やかで寂しい情趣をいま假りに措いて...
堀辰雄 「若菜の卷など」
...一段毎に一対の雪洞が花やかに燭されてゐた...
牧野信一 「熱い風」
...花やかな祭りを催すために丸木小屋の中の飾りつけにいそしみました...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...個性を超越した漠然たる夢の……花やかな円形競技の――」などゝ意味の好く解らぬやうなことを朗読する見たいに歌つてゐた...
牧野信一 「南風譜」
...今度は花やかな三味線の音締(ねじめ)が絶えず聞かれるようになった...
正岡容 「小説 圓朝」
...場内から遠く花やかに太神楽や手品の囃子のながれて来るのも...
正岡容 「寄席風流」
...太夫さんのような花やかな渡世をしていなさるお方にゃけえってめずらしいかもしれません...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その主張が花やかに栄えているときのことである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それが都風の極めて花やかなものだったために...
柳田国男 「年中行事覚書」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??