...花やかさに見えました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...播半の時の花やかさを覚えている者には佗びしいことであったけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...日本料理はたべる物でなく見る物だと云ったのは、二の膳(ぜん)つきの形式張った宴会を罵(ののし)った言葉であろうが、この花やかな、紅白さまざまな弁当の眺めは、ただ綺麗であるばかりでなく、なんでもない沢庵(たくあん)や米の色までがへんにうまそうで、たしかに人の食慾をそそる...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...その持ち前の花やかな声を張り上げて笑った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...何処(どこ)か明るい花やかなところもあった...
寺田寅彦 「イタリア人」
...この花やかにしゃちこばった気分がドイツ大学生特にいわゆるコアー学生の常住坐臥(じょうじゅうざが)を支配しているように思われるのであった...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...一人は花やかに、一人は静に、各その身の職分に応じて最後の処置を取つたのだ...
永井壮吉 「冬日の窓」
...この通り花やかなものでございましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...煉瓦塀をおし破つて転(まろ)びにゆく青い草地肩にのぼる花やかな雲雲をよんで刺しとめる新しい剣口にとびこんでくる微細な飛行機飛行機が逃げぐちを求める一枚の空...
仲村渠 「体操」
...際立(きわだ)って花やかな空の雲と...
夏目漱石 「それから」
...波打際に近いプロムナードには海水浴着の女や男が花やかに歩きまはつてゐた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...いかにも清らかに鮮やかに花やかに...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...佛よわたしは愛する おんみの見たる幻想の蓮の花瓣を青ざめたるいのちに咲ける病熱の花の香氣を佛よあまりに花やかにして孤獨なる...
萩原朔太郎 「青猫」
...「お母ああさん! お母ああさん!」艶めける靈魂艶めける靈魂そよげるやはらかい草の影から花やかに いきいきと目をさましてくる情慾燃えあがるやうにたのしくうれしくこころ春めく春の感情...
萩原朔太郎 「青猫」
...花やかではなかったけれども...
火野葦平 「花と龍」
...せめて師匠くらいのところを助(す)けさせなければ看板面(づら)花やかに客が呼べないものとおもっているくらいのことは...
正岡容 「小説 圓朝」
...花やかな憂鬱...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...その為に特に道中を花やかにするやうな...
柳田國男 「祭のさまざま」
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