...びりびりその花びらをむしり始めた...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...花びらの一つとれた造花の百合(ゆり)が...
芥川龍之介 「葱」
...眠むさうな花びらをじわりと開いた...
有島武郎 「お末の死」
...それからおやゆび姫は花びらに水を入れて...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 「おやゆび姫」
...その花びらの一まい...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「雪の女王」
...花びらが一つ飛んで来ても...
大杉栄 「続獄中記」
...くらいゆふぐれの胸のまへに花びらをちらします...
大手拓次 「藍色の蟇」
...花びらのかすけきひびき...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...花びらにおのが胴体をこすりつけて遊んでいます...
太宰治 「虚構の春」
...雪が降っているのよ」花びらのような大きい牡丹雪(ぼたんゆき)が...
太宰治 「斜陽」
...―――いとせめて花見ごろもに花びらを秘めておかまし春のなごりに二十「あんた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...桜の花びらを、あるかなきかに、ところどころに織り出した黒縮緬(くろちりめん)の羽織に、地味な藍色がかった薄いだんだら格子(ごうし)のお召の着物をきて、ところどころ紅味(あかみ)の入った羽二重しぼりの襦袢(じゅばん)の袖口(そでぐち)の絡(から)まる白い繊細(かぼそ)い腕を差し伸べて左の手に巻紙を持ち、右の手に筆を持っているのが、賤(いや)しい稼業(かぎょう)の女でありながら、何となく古風の女めいて、どうしても京都でなければ見られない女であると思いながら、私は寝床の上に楽枕しながら、女の容姿に横からつくづく見蕩(みと)れていた...
近松秋江 「黒髪」
...草の葉や花びらや木の葉をきらきらと輝かしていました...
豊島与志雄 「お月様の唄」
...花びらといつしよに空高く巻きあげてしまつた...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...梅の花びらが散りこぼれてくると...
牧野信一 「父を売る子」
...後には花びらの歯が細く裂けたを瞿麦...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...まるで咲き開いた花のあつい花びらの上にふりつもった白雪という感じで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...花びらのとがった先だけが紅色に薄くぼかされていて...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
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