...アメリカから買って帰った上等の香水をふりかけた匂(にお)い玉(だま)からかすかながらきわめて上品な芳芬(ほうふん)を静かに部屋の中にまき散らしていた...
有島武郎 「或る女」
...留南木(とめぎ)の香が芬(ぷん)と薫る...
泉鏡花 「薄紅梅」
...芭蕉実(バナナ)の芬(ふん)と薫る...
泉鏡花 「婦系図」
...」同じ文字を露(あらわ)した大形の名刺の芬(ぷん)と薫るのを...
泉鏡花 「婦系図」
...金と銀との花の盞から静かにこぼれ落ちる金と銀との花の芬香(ふんかう)は...
薄田泣菫 「水仙の幻想」
...そしてわれとわが清浄心のむせるやうな芬香に酔つゐいる...
薄田泣菫 「水仙の幻想」
...汚(きた)ない」ネルチンスキイというのは一船遅(おく)れて日本に遠征(えんせい)に来る筈(はず)の芬蘭(フィンランド)の陸上選手監督(かんとく)で...
田中英光 「オリンポスの果実」
...つまり芬蘭土(フィンランド)人は見ただけで嘔吐するかも知れない豚の胎児を...
谷譲次 「踊る地平線」
...どうも芬蘭(フィンランド)女といふ奴は馬鹿が多くて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...……五六月の候、いとも勇敢に、路傍に南方の山中に、或時は高さ三碼にも達する巨大な総(ふさ)づきの毬を形つくり、純金の壮麗な箒でもつて蔽はれ、その香芬は、灼熱した太陽の威烈のもとに謂ひ知れぬ歓喜を漲らすのである...
牧野信一 「卓上演説」
...部屋のなかは臭氣芬芬だつたさうだ...
正宗白鳥 「心の故郷」
...初期の漱石の匂いと臭気が芬々(ふんぷん)である...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...斯情百歳鎮芬芳...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...その膝に両手を支えた芬子さん...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...やがて涙を拭いた芬子嬢は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...自分とソックリの姉の死像を描いた絵巻物を開いて見せられた芬子嬢は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...且(か)つ芬夫人の身の上に同情して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...一層信じ難く名状し難い悪夢――粘液にまみれ悪臭芬々たる...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??