...牡丹(ぼたん)に芬芬(ふんふん)の香を発し...
芥川龍之介 「「鏡花全集」目録開口」
...やがて芳芬(ほうふん)の激しい薬滴が布の上にたらされた...
有島武郎 「或る女」
...激しい芳芬(ほうふん)と同時に盥の湯は血のような色に変った...
有島武郎 「小さき者へ」
...芬(ぷん)と身に沁(し)みる木(こ)の葉の匂(におい)...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...冷(つめた)い酢の香が芬(ぷん)と立つと...
泉鏡花 「瓜の涙」
...芬(ぷん)と湿りを帯びた階段を...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...芬(ぷん)とにおって酒臭い...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...芬々(ふんぷん)として妖氣が立昇るやうな氣がするのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...芬々(ふんぷん)として妖気(ようき)が立昇(たちのぼ)るような気がするのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...集中の詩篇に芬々として居るほどである...
萩原朔太郎 「ニイチェに就いての雑感」
...我家をめぐる百歩ばかりの庭園は雑草雑木四時芳芬(ほうふん)を吐いて不幸なる貧児を憂鬱(ゆううつ)より救はんとす...
正岡子規 「わが幼時の美感」
...……そいつを見ると芬子さんイヨイヨ気の毒になって...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それから芬子さんの涙ながらの物語りで詳しい事情を聞いた船中の者は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...且(か)つ芬夫人の身の上に同情して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...……芬夫人は時に十九歳...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...大倭朝(やまとちょう)天平宝字(てんぴょうほうじ)三年(ねん)癸亥(きがい)五月(がつ)於(おいて)二西海(さいかい)火国(ひのくに)末羅潟(まつらがた)法麻殺几駅(はまさきえきに)一大唐(だいとう)翰林学士(かんりんがくし)芳九連(ほうきゅうれん)二女(じょ)芬(ふん)識(しるす)という文字を二三度繰り返して読んで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...いずれにしても呉モヨ子が仮死状態に陥った直接の原因が、呉一郎の夢中遊行から来た暗示であったろうという事は、この若林の手に成った調査書類の文句が云わず語らずの中(うち)に表明している推論で、吾輩も双手を挙げて賛成せざるを得ないところだ」「……………」「なお又、これは吾輩一個人としての想像であるが、従来の呉家(くれけ)にはモヨ子のように、女性としての祖先である黛、芬、両夫人から来た心理遺伝をあらわした婦人の話が一つも残っていないようである...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...菜の花のにおいが芬々(ふんぷん)とする――其方(そち)たちにも香(にお)うか」「とんと...
吉川英治 「宮本武蔵」
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