...冷(つめた)い酢の香が芬(ぷん)と立つと...
泉鏡花 「瓜の涙」
...そしてわれとわが清浄心のむせるやうな芬香に酔つゐいる...
薄田泣菫 「水仙の幻想」
...或時十風は夜遲く酒氣芬々として歸つて來て「星野の奴はひどい奴だ...
高濱虚子 「俳諧師」
...佳人と携へて芬蘭の室に憑り...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...汚(きた)ない」ネルチンスキイというのは一船遅(おく)れて日本に遠征(えんせい)に来る筈(はず)の芬蘭(フィンランド)の陸上選手監督(かんとく)で...
田中英光 「オリンポスの果実」
...Suomi ――の首府へルシングフォウス――芬蘭土(フィンランド)語でヘルシンキ――は...
谷譲次 「踊る地平線」
...一たい芬蘭土(フィンランド)はほとんど外国語が通じない...
谷譲次 「踊る地平線」
...樟脳(しょうのう)の匂いの芬々(ぷんぷん)するなかで...
徳田秋声 「足迹」
...カッフェーの女給仕は競馬石鹸の匂芬々(ふんふん)として新粧を凝し千束町の白首(しろくび)は更にアルボース石鹸の臭気をいとわず...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...集中の詩篇に芬々として居るほどである...
萩原朔太郎 「ニイチェに就いての雑感」
...如何にも死人(しびと)臭(くさ)い匂がもう芬(ぷん)と鼻に来る...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...おまけに下品な悪臭芬々として...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...そこで芬夫人はその由来をこの絵巻物に手記して子孫に伝えた……めでたしめでたしというわけだ」「じゃその名文は芬夫人が書いたんですね」「イヤ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...芬(ふん)夫人の心理を夢中遊行で繰り返すと同時に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...大倭朝(やまとちょう)天平宝字(てんぴょうほうじ)三年(ねん)癸亥(きがい)五月(がつ)於(おいて)二西海(さいかい)火国(ひのくに)末羅潟(まつらがた)法麻殺几駅(はまさきえきに)一大唐(だいとう)翰林学士(かんりんがくし)芳九連(ほうきゅうれん)二女(じょ)芬(ふん)識(しるす)という文字を二三度繰り返して読んで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...一年振りに帰って来た我家の中でこれも同じく一種の変態性慾に囚(とら)われている処女……義妹(いもうと)の芬氏(ふんし)に引っかけられて美事な背負(しょ)い投げを一本喰わされると...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...芬(ふん)姉妹(きょうだい)から受け伝えていたマゾヒスムス的変態心理の慾望と記憶とを...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...菜の花のにおいが芬々(ふんぷん)とする――其方(そち)たちにも香(にお)うか」「とんと...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??