...ここらに色鳥の小鳥の空蝉(うつせみ)...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...夏野の色鳥ねぐらさすや...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...在木(ありき)の枝に色鳥(いろどり)の咏(なが)め聲する日ながさを...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...在木(ありき)の枝(えだ)に色鳥(いろどり)の咏(なが)め聲(ごゑ)する日(ひ)ながさを...
薄田淳介 「白羊宮」
...色鳥(いろどり)はさしぐむ路(みち)の奧(おく)ぶかに...
薄田淳介 「白羊宮」
...庭の木に来しは目白や浜日和海岸の庭にも時々色鳥(いろどり)が来ます...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...色鳥というのは秋になると渡って来る毛色の美しい多くの小鳥のことであります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...一羽の色鳥が飛んで来たようにして織成が帰って来た...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「織成」
......
前田普羅 「普羅句集」
...はたこなたへとしるべするにやあらんと草鞋のはこび自ら軽らかに箱根街道のぼり行けば鵯(ひよどり)の声左右にかしましく我なりを見かけて鵯(ひよ)の鳴くらしき色鳥の声をそろへて渡るげな秋の雲滝をはなれて山の上病みつかれたる身の一足のぼりては一息ほっとつき一坂のぼりては巌端に尻をやすむ...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...俳句ではこれを冬の部に入れてあるが、それは恐らくは梟は眠る所をさゝれけり猿雖(えんすい)といふ句が『猿蓑』の冬の部に入れられたから始まつたのであらう、従つて木兎(みみずく)もやはり同じ事に取扱はれて居るが、貞享式(じょうきょうしき)に「古抄は秋の部に入れたれど渡り鳥にもあらず、色鳥にもあらず、まして鳴声の物凄きは寒さを厭(いと)へる故にとや、決して冬と定むべし」とあるけれど、梟は元来何時の時候をよく鳴くものであるか、余の経験によると、上野の森では毎年春の末より秋の半ばへかけて必ず梟が鳴く、これは余が根岸に来て以来経験する所であるが、夏の夕方、雉子町(きじちょう)を出でて、わが家への帰るさ、月が涼しく照して気持のよい風に吹かれながら上野の森をやつて来ると、音楽学校の後ろあたりへ来た時に必ずそのフルツクホーソの声を聞く事であつた...
正岡子規 「病牀六尺」
...秋と冬と同時に動くこの山頂で夥(おびただ)しい色鳥の空わたるのを聞くだけだつた...
室生犀星 「忘春詩集」
...――途中からサッとなびいて、一筋に長く解けた女の帯は、色鳥の尾か、雲から捨てた天(あま)の羽衣の如く、ひらひらと虹を描きつつ、その行方を見えなくしました...
吉川英治 「江戸三国志」
...お綱を傷ついた色鳥(いろどり)と見れば...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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