...天(あめ)が下(した)の色好みとか云はれるおれも...
芥川龍之介 「好色」
...お前はもう天が下の色好みでも何でもない...
芥川龍之介 「好色」
...そう云う色好みの方々が...
芥川龍之介 「邪宗門」
...われはまた夏野の鳥の日もすがら木かげの花に脣(くち)ふるる色好みにはえも堪へじ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...その一此(こ)の物語はあの名高い色好みの平中(へいじゅう)のことから始まる...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...そのころの色好みにて人の妻(め)...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...生れつき色好みの則重はかねてから彼女との縁組みを望んでいたのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...色好みの平中(へいじゅう)を魅惑するために丁子(ちょうじ)の実(み)で自分の排泄物を模造した逸話があるではないか...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...昔は色好みだとの評判だったが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...北村は夏でも黒色好みであるが...
豊島与志雄 「自由人」
...わたしはね、色好みで、人殺しで、神を涜した男だ...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...愛もなければ恋もない女を買い取ろうとする色好みの老人の手から...
中里介山 「大菩薩峠」
...「これは?」「板倉屋の主人ですよ」色好みで金儲けの上手だといはれた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...秋山伊織が主家を退轉したのは全く主君某の守の色好みから起つたことで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夫周左衞門の色好みを持て餘して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その上健康で色好みで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「これはまだはっきりしたことではないが、おれの聞いたところによると、隣りにいる女となにかあるようだぞ」「お久米さんとですか」「はっきりしたことじゃない」と六郎兵衛が云った、「このまえ、新八をしばらく外出止めにした、五十日ばかりだったろうが、そのあいだにこそこそ始めたらしい、それからあともときどき逢っているようだ」「だって、一人で外へは出さないんでしょ」「そう命じてはある」と六郎兵衛は自分で盃に酒を注いだ、「しかしあいつも人間だから、一歩も外へ出さないというわけにはいかない、それに野中の妻女が病身で、買い物なども不自由だというから、一人ででかける機会はあるんだ」「そのときお久米さんと逢ってるっていうのね」「たしかではない、ときどきでかけて、帰りのおそいことがあるというんだ」「たしかだわ」おみやの声はうわずった、「あの人はまえから新さんにへんな眼つきをしていたもの、それに色好みで、旦那という人がごくたまにしか来ないから、きっと新さんをむりやりくどいたのよ」「そうのぼせるな」と六郎兵衛が云った、「とにかく新八はまだ放せない、まだ当分は金蔓(かねづる)だからな、そこを考えてうまくやれ、のぼせあがると事を毀(こわ)すぞ」「材木河岸へ置くからいけないんだわ」とおみやが云った、「もうあの人たちは和泉町へ移ったんだもの、この道場へ置いて下さればいいのよ」「それはだめだ、なにか頼めるのは野中ひとりだ、野中なら安心して預けられるが、ここに置いたらいつ逃げられるかわかったものではない」「だって新さんにはゆくとこがないじゃありませんか」「ばかなやつだ」と六郎兵衛は手酌で飲んだ、「ちょっと油断をしてみろ、一ノ関がすぐに掠(さら)ってゆくぞ、きさまは頭の悪いやつだ」「あたしもう帰ります」おみやはいそいで立ちあがった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...色好みな矮虎は、きくや否、「ほんとか」眼いろを変えて、すぐ手下四、五十人を集めにかかった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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