...私の家のすぐ裏で、W君は、私より一年、上級生だったので、直接、話をしたことは無かったけれど、たったいちど、その登記所の窓から、ひょいと顔を出した、その顔をちらりと見て、その顔だけが、二十年後のいまとなっても、色あせずに、はっきり残っていて、実に不思議な気がした...
太宰治 「酒ぎらい」
...遊び紙に色あせたインクで『グリオルミ・ヒューテ蔵書』とある...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...色あせた麻服の自分を...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...半ば開いてる色あせた口...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...昨日開いて今日ははや色あせたその魂は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...長年の風や日射しで色あせてしまったのです...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...少し色あせてはいるが...
中井正一 「美学入門」
......
中野鈴子 「途中で」
...天(あま)つ緑の黒髪さえ心ぼそく色あせてはきたものの...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ああ尾ばな藤ばかますでに色あせ...
萩原朔太郎 「山頂」
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萩原朔太郎 「短歌」
...桃の花もすでに花弁が色あせかけている...
長谷健 「天草の春」
...ところどころ日に焼けて色あせていた...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...週末に出て行けということでしょうか」小柄、色あせた金髪、質素な服を着た女店主が答えて言うことに、すぐに出て行きなさい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...青白い細身の可愛い女が色あせた黒服に身を包み...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...素敵な家具さえ色あせる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...だんだんと色あせ衰えるばかりである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...羽目板の色あせ剥(は)げちょろけた青ペンキだけが...
山本周五郎 「青べか物語」
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