...はげ落ち色あせたなりに...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...茶室や茶道具がいかに色あせて見えてもすべての物が全く清潔である...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...私の家のすぐ裏で、W君は、私より一年、上級生だったので、直接、話をしたことは無かったけれど、たったいちど、その登記所の窓から、ひょいと顔を出した、その顔をちらりと見て、その顔だけが、二十年後のいまとなっても、色あせずに、はっきり残っていて、実に不思議な気がした...
太宰治 「酒ぎらい」
...散華という言葉もなお色あせて感ぜられる...
太宰治 「散華」
...」ホームズは引き出しから少し色あせた巻紙を取り出し...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...その色あせた顔の上に多少の喜びとほほえみに似たものとを浮かべて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...鴉(からす)鳴く墓場の枯木と共に遺憾なく色あせた冬の景色を造り出す...
永井荷風 「日和下駄」
...色あせた絵のような姿として思い出されるのも...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...花は土のしめりですこしもしおれずしかし明るい朝の光の中ではやや色あせてみえ私はそれと知らず幻滅(げんめつ)を覚えたのであった...
新美南吉 「花をうめる」
...昔話だつて色あせて来るしね...
林芙美子 「浮雲」
...色あせた夏羽織を着た背の高いひとが出て来た...
林芙美子 「新版 放浪記」
...色あせた部分があり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...素敵な家具さえ色あせる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...*心が沈み 希望が色あせた時よき友...
宮本百合子 「五月の空」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...口の中で切れ切れに歌う)かき流せる……筆のあやに……そめし紫色あせじ...
森本薫 「女の一生」
...だんだんと色あせ衰えるばかりである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...萌黄(もえぎ)の色あせた蚊帳(かや)の吊り手が一(ひと)所はずれたまま...
吉川英治 「江戸三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??