...よく扇ぐ舞扇で、暑さをしのいだ...
...ダンサーがくるりと舞扇を回した...
...初夏の夕暮れ、風に揺れる舞扇が美しかった...
...お妃様が舞扇で夜風を払った...
...此花亭で舞扇を買った...
...」「あい、」とわずかに身を起すと、紫の襟を噛(か)むように――ふっくりしたのが、あわれに窶(やつ)れた――頤(おとがい)深く、恥かしそうに、内懐(うちぶところ)を覗(のぞ)いたが、膚身(はだみ)に着けたと思わるる、……胸やや白き衣紋(えもん)を透かして、濃い紫の細い包、袱紗(ふくさ)の縮緬(ちりめん)が飜然(ひらり)と飜(かえ)ると、燭台に照って、颯(さっ)と輝く、銀の地の、ああ、白魚(しらうお)の指に重そうな、一本の舞扇...
泉鏡花 「歌行燈」
...颯(さっ)と翳(かざ)すや舞扇は...
泉鏡花 「歌行燈」
...舞扇の音を立てて開く音なども春の夜の過ぎ行く時を刻んで...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...舞扇を持って戻って来た...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自分の前で今舞扇をかざしているこの妹がその人なのか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...妙子はいつも舞扇と和服を入れた小型の鞄(かばん)を提げて来て...
谷崎潤一郎 「細雪」
...心斎橋筋の「みのや」へ行って舞扇を買い...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それと一緒に舞扇と白生地とをハンブルクへ郵送したのに...
谷崎潤一郎 「細雪」
...兩手で舞扇を扱ひながら...
谷崎潤一郎 「二月堂の夕」
...舞扇(まいおうぎ)を開いたり...
夏目漱石 「野分」
...あの踊屋臺に舞扇(まひあふぎ)を忘れたんださうで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...舞扇をもって立っている...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...暁子が舞扇をかざしながら...
久生十蘭 「あなたも私も」
...御腰掛の密会も、舞扇も、すべて当座の思いつきにすぎない...
久生十蘭 「鈴木主水」
...ほんとうにお美しい方でした」「どういう用向きで」「舞扇を拾っていただいたお礼に...
久生十蘭 「鈴木主水」
...舞扇のやうに極彩色のものもあれば...
牧野信一 「籔のほとり」
...有職(ゆうしょく)ものから各派の舞扇(まいおうぎ)...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...あつい白粉、紅、まゆずみ、だらり帯、舞扇、太鼓の皮...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
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