...それで甘い液汁を舐める舌のやうなものを突込む...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...耳の下っ端をそっと舐めるなどとは...
豊島与志雄 「朝やけ」
...彼女の耳を舐めるような芸当は...
豊島与志雄 「朝やけ」
...ともに自分の舌で舐めるのである...
中山太郎 「屍体と民俗」
...伯爵が切手を舐める習慣が無いとすれば...
野村胡堂 「死の予告」
...「嫌かい」「嫌ぢやありませんが――ね」「岡場所のドラ猫見たいな妓(をんな)の頬ぺたを舐めるんぢやねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...部屋々々を舐めるやうに搜し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...吉田はいよいよ図に乗って鉛筆を舐める...
原民喜 「焔」
...「叔父が書見の合間に舐める氷砂糖が...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...地を舐めるようにして四方から廃屋の方へ詰め寄って行く...
久生十蘭 「魔都」
...あのタンボ気違いの兄きが舐めるようにして可愛がっていました田地召上げられましてどの空で生きて行けますべえ? それが困れば未進(みしん)上納共地代二十両...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...ただ舐めるようにして可愛がつて育てただけです...
三好十郎 「肌の匂い」
...亡霊がきてそれを舐めるのだと...
三好達治 「測量船拾遺」
...われわれの舐めるところは何時も決つた一ところだけに限られ...
室生犀星 「巷の子」
...尖ったの舌で舐めるように木を結び合せた屋根へ燃え上がる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そして、勿論、この陰気な、醜い黒吉が、自分の一挙一動を、舐めるように、見詰めているとは気づかなかったろう...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...そして、相変らず夜は千鳥の片隅で独りのけもののようにぽつんと腰かけた儘、舐めるように、葉子の全身を見廻し、昼は大空の夢の中に、葉子を、シッカリと抱くのであった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...ぼんやりウイスキーを舐めるばかりで...
渡辺温 「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」
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