...卓を圍める一座の興趣は漸くに加はりて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...興趣を感ずべき筈なし...
石井研堂 「研堂釣規」
...『八犬伝』の興趣は穂北(ほきた)の四犬士の邂逅(かいこう)...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...心他門にかわりてさびしおりを第一とす」というのと対照してみると無限の興趣がある...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...いずれも一応の興趣をもって読み終えることができたが...
十返肇 「日本推理小説の曲り角」
...どこでも期待したほどの興趣の得られなかったのに...
徳田秋声 「蒼白い月」
...特種の情調なき都會の興趣に乏しきは恰も品性なき人物と面接するに同じである...
永井荷風 「十年振」
...狂歌川柳(せんりゅう)の俗気を愛する放蕩(ほうとう)背倫の遊民にのみいうべからざる興趣を催させる特種の景色である...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...しかし私の好んで日和下駄を曳摺る東京市中の廃址(はいし)は唯私一個人にのみ興趣を催させるばかりで容易にその特徴を説明することの出来ない平凡な景色である...
永井荷風 「日和下駄」
...夜になって此方は真暗な路地裏から表通の燈火を見るが如きはいわずともまた別様(べつよう)の興趣がある...
永井荷風 「日和下駄」
...夜になつて此方は真暗な路地裏から表通の灯火を見るが如きは云はずとも又別様の興趣がある...
永井荷風 「路地」
...自然の興趣に伴わざるの憾(うらみ)はあるが...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...どんなにエキゾチックな興趣(おもむき)を教えこんだであろう...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...ベートーベンの楽譜をあげてゐるのに興趣を覚えた故為か...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...蓋し最近の名描写たるの興趣が深かつた...
牧野信一 「浪曼的時評」
...読者にもまたべつな興趣がそこに見出されるやもしれません...
吉川英治 「随筆 新平家」
...なかなか興趣がふかく...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そぞろに身内に湧く興趣に心をときめかせてなお聴いていると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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