...専門家ならぬ者にも頗(すこぶ)る興趣あるものである...
芥川龍之介 「リチヤアド・バアトン訳「一千一夜物語」に就いて」
...卓を圍める一座の興趣は漸くに加はりて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...おもしろいじゃないか」私達はそんなことにも旅先らしい興趣をおぼえながら...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...その一つに文學的興趣のゆたかなものがある...
武田祐吉 「古事記」
...終って此興趣(きょうしゅ)多い一日の記念に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...過去の呟(つぶや)きであるが故に愁(うれい)あるものこれを聞けばかえって無限の興趣と感慨とを催す事あたかも商女不レ知亡国恨...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...興趣忽(たちまち)索然として踵を回して去ったことがあった...
永井荷風 「百花園」
...夜になって此方は真暗な路地裏から表通の燈火を見るが如きはいわずともまた別様(べつよう)の興趣がある...
永井荷風 「日和下駄」
...また落掛るように斜(ななめ)に生(は)えた樹木の幹と枝と殊に根の形なぞに絵画的興趣を覚えさせることが多いからである...
永井荷風 「日和下駄」
...その蘭鏡が宮様の御興趣をひき...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究後日譚」
...こんな抽象的(ちゅうしょうてき)な興趣を画にしようとするのが...
夏目漱石 「草枕」
...橋本が筆と墨を抱(かか)えて出て来たので興趣(きょうしゅ)は破れてしまった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...どんなにエキゾチックな興趣(おもむき)を教えこんだであろう...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...蓋し最近の名描写たるの興趣が深かつた...
牧野信一 「浪曼的時評」
...寧ろ胸に饒(ゆた)かな興趣(きやうしゆ)の湧(わ)くのを以つて滿足した...
三島霜川 「平民の娘」
...かれは毎夜のようにかれの伝奇的興趣(でんきてききょうしゅ)をそそるような星座を見出すのであった...
室生犀星 「幻影の都市」
...この小説の畫題化された興趣もあるし永く觀てゐるうちに...
吉川英治 「折々の記」
...興趣はつきない...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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