...興趣を感ずべき筈なし...
石井研堂 「研堂釣規」
...……しかも尽きぬ興趣に燃えてまた恍惚(うっとり)と閉ずるその瞳! まったくそれは豊猟に北叟笑(ほくそえ)む猟師の眼...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...心他門にかわりてさびしおりを第一とす」というのと対照してみると無限の興趣がある...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...なにか興趣ひかれる事物に出逢った場合のための用意だったろう...
豊島与志雄 「絶縁体」
...晴れやかな朗かな海上の興趣もふっとんでしまって……ああ...
豊島与志雄 「女人禁制」
...過去の呟(つぶや)きであるが故に愁(うれい)あるものこれを聞けばかえって無限の興趣と感慨とを催す事あたかも商女不レ知亡国恨...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...興趣忽(たちまち)索然として踵を回して去ったことがあった...
永井荷風 「百花園」
...それにもかかわらずこの都会の風景はこの都会に生れたるものに対して必ず特別の興趣を催させた...
永井荷風 「日和下駄」
...また落掛るように斜(ななめ)に生(は)えた樹木の幹と枝と殊に根の形なぞに絵画的興趣を覚えさせることが多いからである...
永井荷風 「日和下駄」
...いずれも市井(しせい)の特色を描出(えがきいだ)して興趣津々(しん/\)たるが中に鍬形斎(くわがたけいさい)が祭礼の図に...
永井荷風 「夕立」
...謂はば実質内部の興趣の発展によつて生ずるものであり...
中原中也 「芸術論覚え書」
...会話は次第に磁力を失い、興趣はやつれ、彼の旅行記は精彩を欠いていった...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...蓋し最近の名描写たるの興趣が深かつた...
牧野信一 「浪曼的時評」
...今回桜井書店主人の需(もと)めを快諾してその中の興趣ありと濫(みだ)りに自分勝手に認めるもの三十七題を択んで...
牧野富太郎 「植物記」
...わがこゝろわれを思う友の心にむくいんと今こそ受けしふみのしるしをその刹那の惑何の奇も何の興趣も消え失せて平凡化せるわれの学問おなじ年寄りの冷水の例また一つ世界に殖えし太平の御代とつおいつとつおいつ受けし祝辞と弔辞の方へ何と答えてよいのやら苦しい思い今日の今まで通した意地も捨てにゃならない血の涙たとえ学問のためとはいえ...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...しかも建物の煉瓦の調子と象そのものの伝奇的興趣とが相待って...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...老人でなければ興趣の薄らぐ種類にちがいないが...
横光利一 「夜の靴」
...宸翰本等におけるそれよりもはるかに興趣に富むことを指摘せられたが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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