...貞世は何か興奮して向こうを向きながら泣いているに違いなく思われた...
有島武郎 「或る女」
...そう言って自分一人で赤くなって興奮していた人というのは...
海野十三 「火星兵団」
...私の気持お分りになりますでしょう?』綾子さんは段々興奮して声が大きくなるので...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...いつか、私の高等学校時代からの友人が、おっかなびっくり、或る会合の末席に列していて、いまにこの辺、全部の地区のキャップが来るぞと、まえぶれがあって、その会合に出ているアルバイタアたちでさえ、少し興奮して、ざわめきわたって、或る小地区の代表者として出席していた私のその友人は、もう夢みるような心地(ここち)で、やがて時間に一秒の狂いもなく、みしみし階段の足音が聞えて、やあ、といいながらはいって来たひょろ長い男の顔が、はじめは、まぶしくて、はっきり見えなかったが、よく見ると、その金ぶち眼鏡のにやけた男が、まごうかたなき、私、ええ、この私だったので、かれ、あのときのうれしさは忘(ぼう)じがたいと、いまでもよく申しています...
太宰治 「虚構の春」
...妙に興奮してしもてて寝られるどこやあれしません...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...おれは興奮して手がふるえたっけ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...このとおり興奮して...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...何故アチミアーノフがそう興奮しているのか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...顎ひげのお友達は少し興奮していますわい...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「ブラウン神父の醜聞」
...観衆の心に裁判長も興奮しているのではなかろうかと疑わせないではなかったのに...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...興奮して来る息づかいを秘めているに相違なかった...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...目がちかちかするくらい頭も興奮していた...
徳田秋声 「黴」
...細君がどれだけ興奮してゐたと云ふ事を話したいが...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...その時皇帝は興奮して二度くり返し叫んだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...反対に夫人の方は益神経質に興奮して来た...
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」
...いつ退職なんていったんです』と白水は少しずつ興奮してやり始めた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...フライ牧師は興奮して新聞記者に語った...
牧逸馬 「双面獣」
...宗麟夫人は興奮して自殺を計ったが...
和辻哲郎 「鎖国」
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