...冬の日の舂(うすず)き隠れる早さを今さらに君はしみじみと思った...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...一里ほどで舂米という村に出た...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...山畑(やまはた)に蒔(ま)いた茜草(あかねぐさ)を舂(つ)いて染料の木の汁で染めた衣服を十分に身につけて...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...谷の流れに架つて終日米を舂(つ)いてゐる野碓の小屋を指し示した...
田山録弥 「春雨にぬれた旅」
...夜の十二時頃から夕方までも舂(つ)く...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...会読(かいどく)しながらこれを舂(つ)き...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...糠埃のこもつた舂(つ)き場(ば)には無数の杵がこつとんこつとんと鈍(どん)な音をたてて一本足の踊るやうに米をつく...
中勘助 「銀の匙」
...衰へたる日影の蚤(はや)くも舂(うすつ)きて蜩(ひぐらし)の啼(な)きしきる声一際(ひときわ)耳につき...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...全くのぼせを下(さ)げるために六祖(ろくそ)が米を舂(つ)きながら考え出した秘法である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...稻舂(いなつ)き女たちに間食(おやつ)をやらうと家室さんが碓屋(うすや)にはいつてゆくと...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...挽舂(ひきうす)の響きを聞きながらうつら/\假睡(うたたね)の夢に落ちた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...さて妻が子に食を与え隣家へ舂(うす)つきに往くとて...
南方熊楠 「十二支考」
...僧共(そうども)の食(た)べる米(こめ)を舂(つ)いてをられました...
森鴎外 「寒山拾得」
...村にはさらに第五種の賃舂(ちんつ)き臼屋があるという...
柳田国男 「雪国の春」
...舂場(つきば)掛り...
山本周五郎 「さぶ」
...すべて平和な光に舂(うすず)き濡れていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...舂(うすず)く陽(ひ)を負って黒く...
吉川英治 「三国志」
...舂(うすず)きかける陽に思う...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索