...平氏は是に於て最後の窮策に出で至尊と神器とを擁して西国に走らむと欲したり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...伏して惟るに至尊施政の大道亦実に仁愛に淵源するあるハ明々白々の事に属す...
田中正造 「非常歎願書」
...嗚呼すさまじの雨の夜あらしも波も聲あげて歌ひ弔へはなれ島至尊の冠(かむり)いたゞきしかしらは今はうなだれてかれはいまはの床にあり...
土井晩翠 「天地有情」
...オーステリツ(六)の朝風に同盟軍の旗高し至尊の指揮に奮立つ二十餘萬の墺魯軍君の鋒先向ふとき散りぬ嵐に葉のごとく...
土井晩翠 「天地有情」
...至尊に侍して献替の任を尽くすに由なしと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...勅語奉答は唯だ至尊に敬意を表する儀式的奏文とする慣例で...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...即ち帝室の大切にして至尊至重なる由縁なり...
福沢諭吉 「帝室論」
...あたかも一家の至尊には近づくべからず...
福沢諭吉 「日本男子論」
...『熊野略記』 契りあらば嬉しくかかる折にあひぬ忘るな神も行末の空万乗の至尊をもって...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...一村に至尊、ことにわが朝の英主と聞こえたる後鳥羽院の御史蹟六つまで存するは、恐悦に堪えざるべきはずなるに、二、三の村民、村吏ら、神林を伐りて営利せんがため、不都合にも平田内相すでに地方官を戒飭(かいちょく)し、五千円を積まずとも維持確実ならば合祀に及ばずと令したるはるか後に、いずれも維持困難なりと詐(いつわ)り、樹木も地価も皆無なる禿山頂へ、その地に何の由緒なき無格社金毘羅社というを突然造立し、村中の神社大小十二ことごとくこれに合祀し、合祀の日、神職、衆人と神体を玩弄してその評価をなすこと古道具に異ならず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...たとい誓言するにも至尊や大廟の御名を引かず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...ここに君臨する至高の奉行〔法王〕はよそでも同じく至尊として崇(あが)められる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わが邦の至尊の御名が羅馬(ローマ)字になっているのを見ると一種の名状すべからざる不愉快を感ずるのは...
柳田國男 「名字の話」
...朝廷が何であるとかなぜ天皇を至尊(しそん)と仰ぐのかそんな理解はおろか...
吉川英治 「私本太平記」
...かりそめにも至尊(しそん)の御子(みこ)...
吉川英治 「私本太平記」
...「いかなる名分(めいぶん)にせよ、大元帥たる御方が、その行宮(あんぐう)を捨て給うて、敵手に、あとの御運(ごうん)をゆだねられるからには、降参ときまッている!」「いや、至尊として、臣下の尊氏に、御降伏などというすじみちはない」「さようなお考えは、あなた方だけのもの...
吉川英治 「私本太平記」
...わけても当今至尊(しそん)につかえまつる念がうすく...
吉川英治 「新書太閤記」
...至尊の玉座を眼(ま)のあたりに拝観するとは...
吉川英治 「新書太閤記」
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